判旨
刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立において、申立書に記載された弁護士であっても、裁判所に弁護人選任届が提出されていない場合には、正当な申立権者として認められない。
問題の所在(論点)
弁護人選任届が提出されていない弁護士による判決訂正の申立が、適法なものとして認められるか。
規範
最高裁判所の判決に対する訂正の申立(刑事訴訟法415条1項)において、弁護人がこれを行う場合には、あらかじめ裁判所に対して有効な弁護人選任届が提出されていなければならない。
重要事実
強盗殺人被告事件について、最高裁判所が昭和28年6月16日になした上告棄却決定に対し、判決訂正の申立がなされた。しかし、当該申立書に記載された弁護士らからは、本件裁判所に対して弁護人選任届が提出されていなかった。
あてはめ
本件申立において、申立書に氏名が記載されている弁護士らは、裁判所に対して弁護人選任届を提出していない。刑事訴訟手続において弁護人が訴訟行為を行うには選任届の提出による資格の疎明が必要であり、これがない以上、当該弁護士らによる申立は正当な権限に基づかないものと判断せざるを得ない。
結論
本件判決訂正の申立は理由がない(権限のない者によるもの)として棄却される。
実務上の射程
訴訟代理権や弁護権の行使における選任届提出の必要性を確認する事例である。実務上、上訴や訂正申立等の重要な訴訟行為に際しては、選任の有無が厳格に判断されるため、答案上も手続的要件(選任届の提出)の充足を看過してはならない。
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和28(す)246 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正…
事件番号: 昭和28(み)19 / 裁判年月日: 昭和28年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決訂正の申立ては、上告審の判決に誤りがあることを理由とするものであるが、本件においては上告棄却の判決に訂正すべき理由が認められないため、申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人両名に対する強盗被告事件において、最高裁判所は昭和28年5月21日に上告棄却の判決を言い渡した。これに対し、…
事件番号: 昭和38(み)30 / 裁判年月日: 昭和38年11月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立てにおいて、判決に訂正すべき事由が認められない場合には、同法417条1項に基づき申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:爆発物取締罰則違反、殺人、業務妨害等の各罪に問われた被告事件について、最高裁判所が昭和38年10月17日に上告棄却の判決を宣告した。…
事件番号: 昭和33(す)482 / 裁判年月日: 昭和33年11月10日 / 結論: 棄却
上告棄却判決に対する訂正申立棄却決定に対しては異議申立は許されない。