判旨
判決訂正の申立ては、上告審の判決に誤りがあることを理由とするものであるが、本件においては上告棄却の判決に訂正すべき理由が認められないため、申立てを棄却すべきである。
問題の所在(論点)
上告裁判所がなした上告棄却判決に対し、判決内容の誤りを理由とする訂正の申立て(刑訴法415条)に正当な理由があるか。
規範
刑事訴訟法415条に基づき、上告裁判所は、その判決の内容に誤りがあることを発見したときは、申立て又は職権により、判決を訂正することができる。訂正の申立てに理由がないときは、同法417条1項に基づき、決定で申立てを棄却しなければならない。
重要事実
被告人両名に対する強盗被告事件において、最高裁判所は昭和28年5月21日に上告棄却の判決を言い渡した。これに対し、弁護人は「本件は上告受理の申立てをした事件である」等と主張して、判決の訂正を申し立てた。しかし、実際には上告受理の申立ては受理されておらず、その旨は申立人に通知済みであった。判決は正規の上告申立事件としてなされたものであった。
あてはめ
申立人は本件が上告受理申立事件であると主張するが、記録上、当該申立ては受理されておらず、適法に通知もなされている。したがって、最高裁判所が上告申立事件として上告棄却の判決を言い渡したことに手続上の誤りや内容の錯誤は認められない。ゆえに、判決を訂正すべき理由(刑訴法415条)は存在しないといえる。
結論
本件判決訂正の申立てには理由がないため、刑訴法417条1項により棄却する。
実務上の射程
判決訂正の申立て(刑訴法415条)が認められるためには、判決の内容に客観的な誤りが必要であり、申立人の独自の解釈や前提事実の誤認に基づく主張では足りないことを示す事例である。
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和28(す)246 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正…
事件番号: 昭和28(す)310 / 裁判年月日: 昭和28年7月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立において、申立書に記載された弁護士であっても、裁判所に弁護人選任届が提出されていない場合には、正当な申立権者として認められない。 第1 事案の概要:強盗殺人被告事件について、最高裁判所が昭和28年6月16日になした上告棄却決定に対し、判決訂正の申立がなされた…
事件番号: 昭和28(す)508 / 裁判年月日: 昭和28年10月13日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和27(す)438 / 裁判年月日: 昭和27年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決内容に誤りがあるとして提起された訂正の申立について、裁判所の検討の結果、前示裁判に誤りが認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき申立を棄却すべきである。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所が既に行った裁判に対し、申立人が別紙(判決文上は省略)記載の趣旨に基づいて判決の訂正を申し立…