判旨
最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法433条のように特別の規定がある場合に限り許されるものであり、単なる訴訟法違反を理由とする抗告は不適法である。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法において特別の定めがない場合に、単なる訴訟法違反を理由として最高裁判所に直接抗告を申し立てることができるか。
規範
最高裁判所に対する抗告は、裁判所法7条2号に基づき、刑事訴訟法433条等の特別規定により特に最高裁判所に抗告をなし得る旨が定められている場合にのみ許容される。
重要事実
抗告人は、原決定(控訴棄却決定と推認される)に訴訟法違反があるとして、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。なお、本件に関連して刑事訴訟法386条1項1号の決定に対する異議申立期間が3日であることについても言及されている。
あてはめ
本件抗告は、単に原決定の訴訟法違反を主張するものである。しかし、刑事訴訟法上、このような主張を理由として最高裁判所に抗告を申し立てることを認める規定は存在しない。したがって、刑事訴訟法433条の定める特別抗告等の要件も満たさないものと判断される。
結論
本件抗告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁への不服申立てが「特別抗告(刑訴法433条)」等の限定された法的根拠に基づく必要があることを示す。実務上、上訴権の有無や不服申立経路の適法性を検討する際の基礎的な判断枠組みとして機能する。
事件番号: 昭和28(す)536 / 裁判年月日: 昭和28年11月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、抗告をすることが許されないだけでなく、これに代わる異議の申立てをすることも許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所がなした上告棄却の決定(刑訴法414条、386条2項)に対し、不服として異議の申立てを行った。なお、具体的な事案の内容については…
事件番号: 昭和22(つ)1 / 裁判年月日: 昭和23年1月26日 / 結論: 棄却
裁判所法第七條第二號によれば、最高裁判所は、特に最高裁判所の權限に屬するものと定められた抗告(刑訴應急措置法第一八條)についてのみ裁判權を有するものである。
事件番号: 昭和29(き)6 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して更に上告を申し立てることは許されず、また当該決定に対して再審の請求をすることも認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所によってなされた上告棄却の決定に対し、さらに不服を申し立てるべく「上告」を申し立てた。また、当該申立てには再審の請求としての性質も含まれ得ると解…
事件番号: 昭和25(し)61 / 裁判年月日: 昭和25年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反を主張していても、その実質が原決定の訴訟手続に関する単なる法令違反にすぎない場合には、刑罰訴訟法上の適法な特別抗告の理由とは認められない。 第1 事案の概要:特別抗告人が、原決定の訴訟手続に関する不服を憲法違反と主張して特別抗告を申し立てた事案。なお、具体的な事案の詳細…
事件番号: 昭和29(し)28 / 裁判年月日: 昭和29年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復請求を棄却した決定は、刑事訴訟法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:抗告人は、名古屋高等裁判所が昭和29年5月21日に行った上訴権回復請求を棄却する決定に対し、最高裁判所に特別抗告を申し立てた…