判旨
特別抗告の理由として憲法違反を主張していても、その実質が原決定の訴訟手続に関する単なる法令違反にすぎない場合には、刑罰訴訟法上の適法な特別抗告の理由とは認められない。
問題の所在(論点)
特別抗告の申立て理由において、形式上は憲法違反を主張していても、実質的に訴訟手続上の法令違反を主張しているにすぎない場合、刑罰訴訟法上の適法な特別抗告の理由として認められるか。
規範
特別抗告(刑事訴訟法433条1項)において、憲法違反は適法な申立て理由となるが、主張の形式が憲法違反であっても、その実質が単なる訴訟手続上の法令違反を指摘するにとどまる場合は、適法な理由として認められない。
重要事実
特別抗告人が、原決定の訴訟手続に関する不服を憲法違反と主張して特別抗告を申し立てた事案。なお、具体的な事案の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
論旨は憲法違反と主張しているが、その実質的内容を精査すると、原決定における訴訟手続に関する法令違反を主張しているに過ぎない。したがって、最高裁判所に判断を求めるべき特段の憲法上の論点を含んでおらず、不服の性質は単なる法令適用・手続の適否に関するものであると評価される。
結論
本件特別抗告には適法な理由がないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別抗告の門前払いの実務に関する判例である。答案上は、特別抗告の適法性を論じる際、単なる法令違反を憲法違反に読み替えて構成した主張を排除する論拠として使用できる。
事件番号: 昭和27(し)40 / 裁判年月日: 昭和27年7月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書が法定の期間内に提出されなかったことを理由とする控訴棄却決定に対し、旧刑訴法上の上訴権回復に関する大審院判例を引用して違憲等を主張することは、事案の性質を異にするため認められない。 第1 事案の概要:抗告人は、控訴趣意書を所定の期間内に提出しなかったことを理由に控訴を棄却された。これに対…
事件番号: 昭和27(し)30 / 裁判年月日: 昭和27年5月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官が合議体の構成員として判決に関与しながら、出張等の事故により記名押印できない場合、他の裁判官がその理由を付記して記名押印することは、判決の効力に影響を及ぼさない正当な手続である。 第1 事案の概要:本件判決において、合議体の構成員である裁判官小谷勝重は、判決の合議および成立に関与したが、判決…
事件番号: 昭和29(し)2 / 裁判年月日: 昭和29年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法433条のように特別の規定がある場合に限り許されるものであり、単なる訴訟法違反を理由とする抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(控訴棄却決定と推認される)に訴訟法違反があるとして、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。なお、本件に関連して刑事訴…
事件番号: 昭和25(し)64 / 裁判年月日: 昭和26年4月13日 / 結論: その他
一 そして最高裁判所が正義を維持するため発動する職権破棄権は本件のような場合には当然にこれを保有するものというべきであるから本件特別抗告については刑訴法第四一一条の準用があるものと解するのが正当である。 二 被告人(控訴申立人)に対し、保釈決定原本に記載された制限住居とまつたく異つた制限住居を記載した謄本が送達せられ、…
事件番号: 昭和28(す)163 / 裁判年月日: 昭和28年4月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官の忌避の裁判が憲法32条、37条1項に違反するという主張は、独自の憲法解釈に基づかない限り、実質的には訴訟法違反を主張するものにすぎず、特別抗告の理由とはならない。裁判官の構成を含め、法に従った裁判所の判断は憲法上の裁判を受ける権利を保障しているものと解される。 第1 事案の概要:本件は、裁…