判旨
最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、抗告をすることが許されないだけでなく、これに代わる異議の申立てをすることも許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所のなした上告棄却の決定に対し、刑事訴訟法上の異議の申立てをすることが許されるか。
規範
刑事訴訟法上、最高裁判所の決定に対する抗告は許されない。また、高等裁判所の決定に対する異議申立て(刑訴法428条2項等)の制度は、特別抗告以外に不服申立ての途がない場合に例外的に認められたものであり、最高裁判所の決定に対して同様の異議申立てをなすことは予定されていない。
重要事実
申立人は、最高裁判所がなした上告棄却の決定(刑訴法414条、386条2項)に対し、不服として異議の申立てを行った。なお、具体的な事案の内容については判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁判所の決定に対して抗告が許されないことは大法廷判例により確立した法理である。この法理は、抗告に代わる異議の申立てについても同様に適用されるべきである。高等裁判所の決定に対する異議申立て制度は、上級裁判所への抗告が制限されているために設けられた特殊な不服申立手段に過ぎず、終審裁判所である最高裁判所の判断に対してこれを類推適用する根拠はない。したがって、本件申立ては法的に許容されない不適法なものであるといえる。
結論
最高裁判所の決定に対する異議申立ては許されないため、本件申立てを棄却する。
実務上の射程
最高裁判所の判断に対する確定後の不服申立ての制限を明確にした判例である。実務上、上告棄却決定に対する形式的な異議申立てが門前払いされる根拠となる。ただし、判決の訂正(刑訴法415条)とは峻別される必要がある。
事件番号: 昭和27(し)76 / 裁判年月日: 昭和27年11月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所がした上告申立棄却決定や裁判の執行に関する異議申立却下決定に対しては、当該高等裁判所に異議の申立てをすることが認められているため、最高裁判所への特別抗告をすることは許されない。 第1 事案の概要:被告人が高等裁判所に対して行った上告の申立てに対し、当該高等裁判所は、期間経過後であるとして…
事件番号: 昭和29(き)6 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して更に上告を申し立てることは許されず、また当該決定に対して再審の請求をすることも認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所によってなされた上告棄却の決定に対し、さらに不服を申し立てるべく「上告」を申し立てた。また、当該申立てには再審の請求としての性質も含まれ得ると解…
事件番号: 昭和28(き)17 / 裁判年月日: 昭和28年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審は刑訴法436条に規定があるが、上告が不適法または理由不備としてなされた上告棄却の決定に対しては、再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、過去になされた上告棄却の決定に対し、再審請求を申し立てた。当該決定(原確定裁判)は、請求人…
事件番号: 昭和28(き)8 / 裁判年月日: 昭和28年11月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定は、証拠に基づいた実体判決ではないため、刑事訴訟法436条に定める再審事由を適用して再審を請求することはできない。 第1 事案の概要:請求人は、適法な上告理由に当たらないとして上告を棄却した確定決定に対し、再審を請求した。請求の具体的な理由は不明であるが、刑事訴訟法436条所定の再審…
事件番号: 昭和29(し)2 / 裁判年月日: 昭和29年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法433条のように特別の規定がある場合に限り許されるものであり、単なる訴訟法違反を理由とする抗告は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(控訴棄却決定と推認される)に訴訟法違反があるとして、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。なお、本件に関連して刑事訴…