判旨
判決後の大赦は免訴事由に該当し、また、犯罪後の法律の変更により刑が軽くなった場合には、刑法6条により軽い方の刑を適用すべきである。
問題の所在(論点)
1. 上告審継続中に免訴事由(大赦)が発生した場合の処理はどうあるべきか。2. 複数の罪のうち一部が大赦の対象となり、他方が対象外である場合の刑の適用および処断はどうあるべきか。
規範
1. 判決後の大赦:刑事訴訟法に基づき、判決後に大赦があった場合には、原判決を破棄し免訴の言渡しをすべきである。2. 法律の変更(刑法6条):犯罪後の法律の変更によって刑が変更された場合には、行為時法と裁判時法を比較し、最も軽い刑を適用する。
重要事実
被告人は物価統制令違反、臨時物資需給調整法違反、および贈賄の罪に問われ、下級審で有罪判決を受けた。その後、上告審の継続中に昭和27年政令117号による大赦が実施された。また、贈賄の事実に関しては、行為時から判決時までの間に罰金等臨時措置法等の制定・改正による刑の変更があった。
あてはめ
1. 物価統制令違反および臨時物資需給調整法違反の事実(乙事実)については、昭和27年政令117号による大赦が認められるため、刑訴法411条5号等に基づき免訴とする。2. 贈賄の事実(甲事実)については大赦の対象外であるが、犯意の継続が認められ、旧刑法55条の連続犯として一罪となる。この点、刑法6条の原則に従い、行為時法と改正後の新法を比較した結果、より軽微である行為時法の刑を適用して罰金5,000円に処するのが相当である。
結論
原判決を破棄し、大赦があった部分については免訴とし、残余の贈賄罪については行為時法を適用して罰金刑に処する。
実務上の射程
事件番号: 昭和25(あ)1916 / 裁判年月日: 昭和27年11月11日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について政令による大赦があった場合、当該事実については免訴の言渡しをすべきであり、大赦の対象外である他の罪数関係にある罪については、別途刑を科すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、物価統制令3条違反の罪および刑法198条の贈賄罪に問われ、第一審および控訴審で有罪判決を受けていた…
大赦による免訴という特殊な事態における実務上の処理(刑訴法337条・411条の適用)を示すとともに、刑法6条(法律の変更)に基づく新旧法の比較と有利な方の選択という基本原則を確認する事案として機能する。
事件番号: 昭和26(れ)2292 / 裁判年月日: 昭和27年11月4日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合、裁判所は職権で当該部分を調査し、判決で免訴を言い渡さなければならない。 第1 事案の概要:被告人は物価統制令違反(人造絹織物の不当高価買受・販売)および贈賄の罪に問われ、原審で有罪判決を受けていた。上告審継続中に昭和27年政令第117号および第87号により、…
事件番号: 昭和27(あ)3021 / 裁判年月日: 昭和28年3月24日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人の複数の犯罪事実のうち、一部の罪についてのみ大赦があった場合、大赦のあった部分については免訴とし、それ以外の罪については改めて刑を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人の複数の犯罪事実について第一審及び原判決がなされたが、上告審の継続中に昭和27年政令117号大赦令が公布された。被告…
事件番号: 昭和27(あ)2473 / 裁判年月日: 昭和27年11月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令の施行により免訴事由が生じた場合、最高裁判所は職権で原判決を破棄し、免訴の言い渡しをすべきである。また、併合罪の一部に免訴事由があり、他の罪について有罪を維持する場合は、免訴部分を切り離して残余の罪について刑を再画定する。 第1 事案の概要:被告会社および被告人Aは、マシン油・モビール油の買…
事件番号: 昭和28(あ)2146 / 裁判年月日: 昭和29年5月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦がなされた事実は、刑訴法411条5号に基づき職権で原判決を破棄すべき理由となり、対象事実については免訴(同法337条3号)を言い渡すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、物価統制令違反および臨時物資需給調整法違反の罪に問われ、第一審で併合罪として処断された。原判決(二審)の後、昭和27年政…