判旨
刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈について疑義がある場合を指す。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」の意義、および単に解釈書の交付を求める申立てが同条の要件を満たすか。
規範
刑事訴訟法501条に基づき裁判の解釈を申し立てるには、判決主文の趣旨が不明瞭であり、客観的にみてその解釈について疑義が生じていることを要する。
重要事実
申立人は、裁判所に対し、別紙「判決解釈書下附願」と題する書面をもって、本件判決の解釈書の交付を申し立てた。しかし、その申立ての内容は、単に解釈書の交付を求めるという形式的な請求に留まるものであった。
あてはめ
本件申立ての理由は、単に「解釈書を下附されたい」という点に尽きており、判決主文のどの部分が不明瞭であるか、あるいはどのような疑義が生じているかについて具体的に示されていない。したがって、判決主文の趣旨が明瞭でない場合に当たるとはいえない。
結論
本件申立ては刑事訴訟法501条の要件を満たさず不適法であるから、棄却を免れない。
実務上の射程
裁判の解釈の申立て(刑訴法501条)が認められるためには、判決の理由ではなく主文自体の不明確性が要求される。実務上、執行の対象を特定できないなどの事情がない限り、本条の申立てが認められる余地は極めて限定的であると解される。
事件番号: 昭和28(す)473 / 裁判年月日: 昭和28年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に規定される「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その意味内容の理解について疑義が生じている場合に限定される。 第1 事案の概要:申立人は、昭和28年9月10日付の書面において、既になされた裁判の解釈を求める申立てを行った。本件では、当該裁判の主文の…
事件番号: 昭和30(す)238 / 裁判年月日: 昭和30年8月18日 / 結論: 棄却
刑訴五〇一条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、裁判の主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈につき疑義がある場合のことで、被告人の上告を棄却した本件はかような疑義なきこと明瞭であるのみでなく、刑訴法にいう刑の言渡をした裁判所ともいえないから、右いずれの点からも本件申立は不適法で棄却すべきものである。
事件番号: 昭和28(す)317 / 裁判年月日: 昭和28年7月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなくその解釈に疑義がある場合を指す。また、最高裁判所は同条にいう「刑の言渡をした裁判所」には当たらないため、同裁判所に対する疑義の申立ては許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が下した裁判について刑事訴…
事件番号: 昭和25(す)211 / 裁判年月日: 昭和25年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法561条に基づく疑義の申立ては、裁判主文の趣旨について疑いがある場合にその解釈を求める手続であり、上告棄却判決の理由について疑義を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が上告を棄却した判決について、その内容に不服があるとして、旧刑訴法561条に基づき、判決…
事件番号: 昭和29(す)529 / 裁判年月日: 昭和30年1月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法501条の「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が不明瞭で解釈に疑義がある場合を指し、上告棄却の決定をした最高裁判所は「刑の言渡をした裁判所」には当たらない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所がなした上告棄却の決定に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解釈に関する疑義…