判旨
旧刑事訴訟法561条に基づく疑義の申立ては、裁判主文の趣旨について疑いがある場合にその解釈を求める手続であり、上告棄却判決の理由について疑義を申し立てることは許されない。
問題の所在(論点)
上告を棄却した最高裁判所の判決理由に対し、旧刑事訴訟法561条(現行刑事訴訟法483条相当)の「疑義の申立」を行うことができるか。
規範
刑の言い渡しを受けた者が、裁判主文の趣旨について疑いがある場合に、言い渡しをした裁判所に対しその解釈を求める手続(旧刑訴法561条)において、判決の更正を求めることや、判決理由について疑義を申し立てることは法律上許されない。
重要事実
申立人は、最高裁判所が上告を棄却した判決について、その内容に不服があるとして、旧刑訴法561条に基づき、判決理由の解釈や更正を求める趣旨の疑義の申立てを行った。
あてはめ
旧刑訴法561条は、刑の執行段階において裁判主文の趣旨が不明確な場合に、その解釈を裁判所に求めるための規定である。本件申立ては、最高裁判所が下した上告棄却判決の「理由」部分について疑義を呈するものである。しかし、同条の趣旨に照らせば、判決理由についての疑義や、判決の更正を求める手段として本条を利用することは想定されておらず、法の趣旨を逸脱するものといえる。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却すべきである。
実務上の射程
現行刑訴法483条(裁判の解釈についての疑義の申立て)の解釈においても同様に適用される。本制度の対象は「裁判の執行」に必要な範囲での「主文」の解釈に限定され、判決理由の当否を争う上訴のような使い方はできないことを示す。
事件番号: 昭和28(す)480 / 裁判年月日: 昭和28年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈について疑義がある場合を指す。 第1 事案の概要:申立人は、裁判所に対し、別紙「判決解釈書下附願」と題する書面をもって、本件判決の解釈書の交付を申し立てた。しかし、その申立ての内容は、単に解釈書の交…
事件番号: 昭和28(す)473 / 裁判年月日: 昭和28年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に規定される「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その意味内容の理解について疑義が生じている場合に限定される。 第1 事案の概要:申立人は、昭和28年9月10日付の書面において、既になされた裁判の解釈を求める申立てを行った。本件では、当該裁判の主文の…
事件番号: 昭和25(す)34 / 裁判年月日: 昭和25年5月19日 / 結論: 棄却
舊刑訴法五六一條に規定する疑義の申立は、刑の言渡を受けた者がその裁判主文の趣旨につき疑がある場合に言渡をした裁判所に對しその解釋を求める手續であつて、本件申立の如く當裁判所が上告を棄却した判決の理由等につきその當否を論じ、右判決を無効であるとして當裁判所にこれが更生を求めることは疑義の申立として到底許されないところであ…
事件番号: 昭和25(す)201 / 裁判年月日: 昭和25年12月25日 / 結論: 棄却
刑訴法第五〇一条にいわゆる「裁判の解釈について疑があるとき」とは、判決主文の趣旨が明瞭でなく、その解釈につき疑義がある場合のことである。