判旨
特別抗告の申立人が、刑事訴訟規則274条に定める抗告の趣意を記載した書面の提出を怠った場合、裁判所は刑事訴訟法434条及び426条1項に基づき、決定で抗告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
特別抗告の申立人が、刑事訴訟規則274条所定の抗告趣意書の提出を怠った場合に、裁判所がいかなる法的措置をとるべきかが問題となる。
規範
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、抗告人が刑事訴訟規則274条の規定に従い、抗告の趣意を記載した書面を法定の期間内に提出しないときは、同法434条、426条1項により、決定をもって抗告を棄却する。
重要事実
刑執行猶予言渡取消請求事件において、東京高等裁判所が昭和28年12月15日に下した即時抗告棄却決定に対し、申立人は特別抗告を申し立てた。しかし、申立人は刑事訴訟規則274条に定められた抗告の趣意を記載した書面を提出しなかった。
あてはめ
本件申立人は、刑事訴訟規則274条に基づき、特別抗告の趣意を記載した書面を提出する義務がある。しかし、記録上、申立人が当該書面を提出した事実は認められない。したがって、適法な趣意書の提出がない以上、審理を継続することはできず、形式上の不備として処理されるべきである。
結論
本件特別抗告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、特別抗告手続における抗告趣意書提出の義務付けとその懈怠に対する制裁(棄却)を明確にしたものである。答案上は、刑事訴訟手続の形式的確実性の観点から、規則遵守が申立ての有効性の要件となる場面で言及し得るが、本件は極めて簡潔な不適法棄却の事例である点に留意が必要である。
事件番号: 昭和41(し)2 / 裁判年月日: 昭和41年2月2日 / 結論: 棄却
所論は、特別抗告の理由は、原審あての即時抗告申立書記載のとおりであるから、これを援用するというが、刑訴規則第二七四条によれば、刑訴法第四三三条の抗告の申立書には、抗告の趣意を簡潔に記載しなければならないと定められており、他の文書の記載を援用することは許されないものである。
事件番号: 昭和28(し)28 / 裁判年月日: 昭和28年5月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告は、刑事訴訟法405条に規定する事由がある場合に限り認められ、単なる法律解釈の争いは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人が、刑事訴訟法349条(刑の執行猶予の言渡しの取消しの手続)の解釈を巡り不服を申し立て、最高裁判所に対し特別抗告を行った事案。抗告人は主張の中で憲法違反…
事件番号: 昭和54(し)29 / 裁判年月日: 昭和54年3月29日 / 結論: 棄却
刑の執行猶予言渡取消決定に関する特別抗告の係属中に執行猶予期間に相当する期間が経過したことは、すでに発生している執行猶予取消の効果に影響しない。
事件番号: 昭和29(し)52 / 裁判年月日: 昭和29年9月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の執行猶予の言渡しを取り消す旨の決定に対しては即時抗告のみが許容され、即時抗告の提起期間経過後に通常の抗告を行うことはできない。 第1 事案の概要:被告人に対し刑の執行猶予の言渡しを取り消す旨の決定がなされた。これに対し、不服申立人が即時抗告の提起期間(3日)を経過した後に、通常の抗告(または即…
事件番号: 昭和40(し)74 / 裁判年月日: 昭和41年1月28日 / 結論: その他
一 執行猶予の判決に対する検察官の控訴を棄却する旨の判決言渡後確定前に、検察官において、被告人が他の罪について禁錮以上の実刑に処せられた事実を覚知したのにかかわらず、右控訴棄却の判決に対して上告の申立をすることなく、これを確定させたときは、刑法第二六条第三号により右執行猶予を取り消すことはできない。 二 弁護人は、本件…