判旨
高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項及び3項の異議申立てを認める余地はなく、かかる不適法な申立ては特別抗告の対象となり得ない。
問題の所在(論点)
高等裁判所が抗告審としてした決定に対し、刑事訴訟法428条に基づく異議申立てをすることができるか、および当該決定に対し特別抗告が適法に成立するか。
規範
刑事訴訟法427条の規定により、高等裁判所が抗告裁判所として下した決定に対しては再抗告を行うことができない。この場合、同法428条2項および3項が定める異議申立ての規定も適用の余地がなく、これに対する更なる不服申立ては不適法である。
重要事実
申立人は、大分地裁による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高裁から期間経過を理由に抗告棄却決定を受けた。申立人はこの決定に対し福岡高裁へ異議を申し立てたが、法律上許されないとして棄却されたため、さらに最高裁へ特別抗告を申し立てた。なお、即時抗告期間の徒過は刑務所事務担当者の過誤に起因すると主張していた。
あてはめ
刑事訴訟法427条は高等裁判所の決定に対する不服申立てを制限しており、本件の福岡高裁による即時抗告棄却決定は抗告審としての判断である。したがって、これに対し428条に基づく異議を申し立てる法的根拠はなく、申立ては不適法である。また、異議申立て自体を特別抗告とみなしたとしても、刑事訴訟法405条所定の事由(憲法違反等)を何ら示しておらず、実質的にも不適法と言わざるを得ない。
結論
本件特別抗告は不適法であり、棄却される。
実務上の射程
抗告審としての高裁決定に対する不服申立ての限界を明示したもの。答案上は、決定に対する不服申立ての可否を論じる際、427条による制限と428条の適用範囲を画定する根拠として用いる。
事件番号: 昭和28(し)104 / 裁判年月日: 昭和29年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項および3項の異議申立ての規定を適用する余地はなく、当該異議申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大分地方裁判所による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高等裁判所は即時抗…
事件番号: 昭和33(し)73 / 裁判年月日: 昭和33年11月20日 / 結論: 棄却
佐賀地裁伊万里支部が本件再審請求はその法令上の方式に違反するという理由で刑訴四四六条により再審請求を棄却する旨の決定をしたこと、これに対して申立人から即時抗告の申立があつたが原審である福岡高裁は右即時抗告を理由なしとしてこれを棄却する旨の決定をしたこと明らかである。従つて原決定は刑訴四二七条にいう抗告裁判所の決定であつ…
事件番号: 昭和49(し)77 / 裁判年月日: 昭和49年9月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告裁判所として下した決定に対しては再抗告が許されないため、刑事訴訟法428条に基づく異議の申立ては認められない。 第1 事案の概要:抗告人が、高等裁判所が抗告裁判所としてした決定に対し、具体的な憲法違反の主張を欠く特別抗告(刑事訴訟法433条)を申し立てた事案。その手続過程において、…
事件番号: 昭和33(し)57 / 裁判年月日: 昭和33年8月28日 / 結論: 棄却
高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては刑訴法第四二七条によつて再抗告ができないのであるから、同四二八条二項三項は適用の余地がない。
事件番号: 昭和48(し)61 / 裁判年月日: 昭和48年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法428条2項および3項の適用はなく、異議の申立てをすることはできない。不適法な異議申立ての棄却決定に対する特別抗告は、実質において事実誤認や単なる法令違反を主張するものである限り、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、地方裁判所…