高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては刑訴法第四二七条によつて再抗告ができないのであるから、同四二八条二項三項は適用の余地がない。
高等裁判所が抗告審としてした決定と刑訴法第四二八条第二項第三項適用の有無。
刑訴法427条,刑訴法428条2項,刑訴法428条3項
判旨
高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条に基づく異議申立ての余地はない。したがって、不適法な異議申立てを経た後に特別抗告を申し立てても、元の抗告棄却決定は既に確定しており、当該特別抗告は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
高等裁判所が抗告審として下した決定に対し、刑事訴訟法428条に基づく異議申立てを行うことができるか。また、不適法な異議申立ての手続きを経た後になされた特別抗告の適否が問題となる。
規範
高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告が禁止されている。そのため、同法428条2項および3項に規定される異議申立ての規定は適用の余地がない。適法な不服申立手段が存在しない以上、抗告審の決定は特別抗告期間の経過によって確定し、確定後の申立てや不適法な手続きを介した申立ては受理し得ない。
重要事実
申立人は、付審判請求を棄却した地方裁判所の決定に対し抗告を申し立てたが、広島高等裁判所によって抗告棄却決定を受けた(昭和33年5月1日)。この決定は同年5月15日に送達されたが、申立人はこれに対し更に「異議申立て」を行い、同年6月12日に同高裁から異議申立棄却決定を受けた。その後、申立人はこの結果を不服として最高裁判所に対し特別抗告を申し立てた。
事件番号: 昭和48(し)61 / 裁判年月日: 昭和48年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法428条2項および3項の適用はなく、異議の申立てをすることはできない。不適法な異議申立ての棄却決定に対する特別抗告は、実質において事実誤認や単なる法令違反を主張するものである限り、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、地方裁判所…
あてはめ
本件では、広島高裁が抗告審として抗告棄却決定を下している。刑事訴訟法427条は高裁の決定に対する再抗告を認めていないため、これに対する異議申立て(同法428条)も認められない。したがって、申立人が行った異議申立ては不適法であり、元の抗告棄却決定は送達後の特別抗告期間の経過によって既に確定している。また、仮に当該異議申立て自体を特別抗告とみなしたとしても、その内容は法405条所定の事由(憲法違反等)に該当しないため、いずれにせよ不適法である。
結論
本件特別抗告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
高裁の抗告審決定に対する不服申立は、法405条所定の事由に基づく特別抗告に限られることを確認した判例である。実務上、異議申立て等の誤った救済手段を選択して時間を空費しても、本来の特別抗告期間は延長されず、決定が確定してしまう点に留意すべきである。
事件番号: 昭和50(し)38 / 裁判年月日: 昭和50年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、対象となる決定等に対して他に不服申立ての手段がない場合に限り許容される。高等裁判所への通常抗告が可能な決定に対し、これを経ずに直接最高裁判所へ抗告することは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に対し、刑事訴…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…
事件番号: 昭和28(し)104 / 裁判年月日: 昭和29年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項および3項の異議申立ての規定を適用する余地はなく、当該異議申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、大分地方裁判所による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高等裁判所は即時抗…
事件番号: 昭和28(し)100 / 裁判年月日: 昭和29年2月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所が抗告審としてした決定に対しては、刑事訴訟法427条により再抗告ができないため、同法428条2項及び3項の異議申立てを認める余地はなく、かかる不適法な申立ては特別抗告の対象となり得ない。 第1 事案の概要:申立人は、大分地裁による再審請求棄却決定に対し即時抗告をしたが、福岡高裁から期間経…