上告を棄却した確定決定に対しては、刑訴法上再審の請求は許されていないのであるから、本件再審請求は不適法として棄却すべきものである。
上告棄却の決定に対する再審請求の適否
刑訴法436条1項,刑訴法446条
判旨
上告を棄却した確定決定に対しては、刑事訴訟法上、再審の請求をすることは許されない。
問題の所在(論点)
上告を棄却した確定決定に対して、刑事訴訟法上の再審請求をすることが認められるか。
規範
刑事訴訟法における再審制度は、確定した「判決」に対して認められる非常救済手続である。上告を棄却するなどの「決定」により確定した裁判については、刑事訴訟法上に再審を認める規定が存在しないため、これに対する再審請求は法的に不適法となる。
重要事実
再審請求人が、上告を棄却し確定した決定に対して再審を申し立てた事案である。請求人は再審申立書において再審事由を主張したが、対象となる裁判が「判決」ではなく上告棄却の「決定」であった。
あてはめ
刑事訴訟法435条以下が定める再審の対象は「有罪の言渡をした確定判決」等に限定されている。本件で対象とされているのは「上告を棄却した確定決定」であり、これは判決ではない。刑事訴訟法上、決定に対する再審請求を認める条文は存在しないため、申立ての内容を検討するまでもなく、形式的に不適法といえる。
事件番号: 昭和27(き)2 / 裁判年月日: 昭和27年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした抗告棄却決定に対しては、再審の請求をすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人が最高裁判所のした抗告棄却決定を不服とし、これに対して再審の請求を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所がなした抗告棄却決定に対して、再審の請求を申し立てることが許されるか(再…
結論
本件再審請求は不適法であり、棄却すべきである。
実務上の射程
再審の対象(刑訴法435条、436条)が「確定判決」に限られることを明示した極めて簡潔な判例である。答案上は、再審請求の対象適格を論じる際や、決定に対する不服申立ての限界を論じる際の見解として利用できる。なお、現行実務においても上告棄却決定に対する再審は認められていない。
事件番号: 昭和29(き)9 / 裁判年月日: 昭和29年8月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定決定に対しては、刑事訴訟法上、再審の請求をすることはできない。したがって、かかる請求は不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:本件において、請求人は、最高裁判所が下した上告棄却の確定決定に対して、刑事訴訟法に基づく再審の請求を行った。判決文からは、具体的な犯罪事実や…
事件番号: 昭和28(き)19 / 裁判年月日: 昭和28年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定判決に対する再審は刑訴法436条に定める事由がある場合に限り許されるが、上告棄却の決定に対しては再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、上告棄却の決定が確定したことに対し、再審請求を行った。当該原確定裁判は、請求人の上告について適法な上告理…
事件番号: 昭和49(き)4 / 裁判年月日: 昭和49年5月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求を棄却した決定に対して、更に再審を請求することは、法に規定がないため認められず不適法である。 第1 事案の概要:請求人は、建造物侵入被告事件の上告棄却決定(確定判決と同一の効力を有するもの)に対し、再審請求を行った。これに対し最高裁判所は、昭和48年4月25日に再審請求棄却決定を下した。請…
事件番号: 昭和29(き)5 / 裁判年月日: 昭和29年5月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、再審の対象は「確定判決」に限定されており、上告を棄却した「確定決定」に対する再審請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和29年3月10日にした上告棄却決定に対し、再審の申立てを行った。なお、本件の基礎となる具体的な事案内容については判決文からは不明である。 …