再審請求棄却決定に対する再審請求の適否
刑訴法436条
判旨
再審請求を棄却した決定に対して、更に再審を請求することは、法に規定がないため認められず不適法である。
問題の所在(論点)
再審請求を棄却した決定に対し、再度、再審の請求をすること(再審の再審)が刑事訴訟法上認められるか。
規範
刑事訴訟法上、確定した裁判に対して再審を請求し、その請求を棄却する決定がなされた場合に、当該棄却決定自体を対象として重ねて再審を請求することを認める規定は存在しない。したがって、かかる請求は法的に許容されない不適法なものとなる。
重要事実
請求人は、建造物侵入被告事件の上告棄却決定(確定判決と同一の効力を有するもの)に対し、再審請求を行った。これに対し最高裁判所は、昭和48年4月25日に再審請求棄却決定を下した。請求人は、この「再審請求を棄却した決定」に対し、さらに重ねて再審の請求を行った。
あてはめ
本件における請求の対象は、実体法上の罪の存否を判断した確定判決そのものではなく、再審請求を不当として棄却した「決定」である。刑事訴訟法は、再審の対象を「確定した有罪の判決」(435条)等に限定しており、再審請求を棄却した決定に対して再審を認める旨の規定を置いていない。そのため、本件請求は法的な根拠を欠くものといえる。
事件番号: 昭和29(き)5 / 裁判年月日: 昭和29年5月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、再審の対象は「確定判決」に限定されており、上告を棄却した「確定決定」に対する再審請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が昭和29年3月10日にした上告棄却決定に対し、再審の申立てを行った。なお、本件の基礎となる具体的な事案内容については判決文からは不明である。 …
結論
本件再審請求は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
再審制度の対象(客体)に関する限界を示す。答案上では、再審の対象が法文上「確定判決」等に限定されていることを論証する際の根拠として活用できる。特に、決定に対する不服申し立ての手続き(即時抗告等)と、非常救済手続としての再審の峻別を意識すべき場面で有用である。
事件番号: 昭和28(き)24 / 裁判年月日: 昭和28年12月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定決定に対しては、刑事訴訟法上、再審の請求をすることは許されない。 第1 事案の概要:本件において、請求人は上告を棄却した確定決定に対し、再審の請求を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):上告を棄却した最高裁判所の確定決定に対し、刑事訴訟法に基づき再審を請求することができるか。 …
事件番号: 昭和28(き)31 / 裁判年月日: 昭和29年2月19日 / 結論: 棄却
上告を棄却した確定決定に対しては、刑訴法上再審の請求は許されていないのであるから、本件再審請求は不適法として棄却すべきものである。
事件番号: 昭和28(き)8 / 裁判年月日: 昭和28年11月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定は、証拠に基づいた実体判決ではないため、刑事訴訟法436条に定める再審事由を適用して再審を請求することはできない。 第1 事案の概要:請求人は、適法な上告理由に当たらないとして上告を棄却した確定決定に対し、再審を請求した。請求の具体的な理由は不明であるが、刑事訴訟法436条所定の再審…
事件番号: 昭和44(き)1 / 裁判年月日: 昭和44年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求において、刑事訴訟法436条1項所定の事由の主張を欠き、かつ同規則283条所定の手続に違反する請求は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件において、請求人は最高裁判所に対し再審の請求を行った。しかし、その請求内容には刑事訴訟法436条1項(上訴棄却の確定判決等に対する再審事由)…