判旨
公職選挙法違反の罪により刑を処せられた者に対し、同法252条に基づき一定期間選挙権及び被選挙権を停止することは、憲法15条1項、3項及び憲法31条に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法252条に基づき、特定の犯罪により刑に処せられた者の選挙権及び被選挙権を停止することが、憲法15条(参政権の保障)及び憲法31条(適正手続の保障)に違反しないか。
規範
公職選挙法252条による選挙権等の制限は、選挙の公正を確保するという正当な目的のための合理的な制限であり、また、当該制限が裁判所の法律に定める手続に従った審判の結果として科されるものである限り、憲法31条が定める適正手続の保障にも反しない。
重要事実
上告人は公職選挙法252条に掲げる罪を犯し、処刑された。同条の規定に基づき、上告人の選挙権及び被選挙権が一定期間停止されることとなった。これに対し、上告人はかかる欠格条項が憲法に違反し、適正な手続を欠くものであるとして争った。
あてはめ
最高裁判所大法廷判決(昭和30年2月9日)の趣旨を引用し、公職選挙法違反という特定の罪を犯した者に対して選挙権を制限することは合憲であるとした。また、当該制限の前提となる罪の存否については、裁判所が法律に定める適正な手続に従って審判しており、憲法31条が要求する法的適正手続を充足していると評価される。
結論
公職選挙法252条による選挙権及び被選挙権の停止は合憲であり、上告人の主張は採用できない。
実務上の射程
選挙権という基本的人権の制限について、選挙の浄化・公正という公共の福祉の観点から合理的制限を肯定する文脈で活用できる。また、資格制限が判決に基づくものである場合に憲法31条の要件を満たすとする判断基準として有用である。
事件番号: 昭和29(あ)1785 / 裁判年月日: 昭和30年5月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法252条の規定が、特定の犯罪により刑に処せられた者に対し、一定期間、選挙権及び被選挙権を停止することは、憲法に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が公職選挙法違反の罪に問われた事案において、弁護人が同法252条による選挙権・被選挙権の停止(欠格条項)が憲法違反であると主張し、上告した。…