仮りに、所論解散が無効であるとしても、本件選挙がそれ自体非合法な無効な選挙であるといえないこと多言を要しない。
衆議院の解散と、解散にもとづく選挙の効力。
憲法7条,憲法54条,公職選挙法
判旨
衆議院の解散が仮に無効であったとしても、その解散に基づいて行われた選挙自体が当然に非合法な無効な選挙となるわけではない。
問題の所在(論点)
衆議院の解散が無効である場合、その解散に基づいて実施された選挙も当然に非合法な無効なものとなるか。
規範
衆議院の解散という統治行為の効力について疑義が生じたとしても、その後の選挙の効力は直ちに否定されない。国家の継続性や法的安定性の観点から、解散の有効・無効にかかわらず、実施された選挙が直ちに非合法な無効なものになるとはいえない。
重要事実
被告人が、衆議院解散後に行われた選挙に関し、選挙違反等の罪に問われた事案。弁護人は、当該解散は無効であり、したがってその解散に基づく本件選挙自体も非合法かつ無効なものであるから、有罪判決は不当であると主張して上告した。
あてはめ
弁護人は、所論の解散が無効である以上、その後の選挙も無効であると主張する。しかし、仮に当該解散が無効であるとしても、客観的に選挙が実施され、国民の意思が反映されるプロセスが踏まれた以上、その選挙が「それ自体非合法な無効な選挙であるといえないこと多言を要しない」とされる。したがって、解散の効力の瑕疵は選挙の有効性に直結しないと判断される。
結論
解散が無効であっても、本件選挙が非合法な無効な選挙であるとはいえないため、上告は棄却される。
実務上の射程
統治行為論の文脈で、解散の効力という高度に政治的な問題が、具体的な刑事事件における選挙の有効性に影響を与えるかという文脈で言及される。ただし、本判決は簡短な決定であり、現在では「苫米地事件」等のより詳細な判例に基づいて論証するのが一般的である。
事件番号: 昭和28(あ)5625 / 裁判年月日: 昭和29年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】衆議院の解散がかりに無効であるとしても、その後に施行された選挙において犯された選挙違反罪の刑事責任は免れない。 第1 事案の概要:被告人が、衆議院解散後に行われた総選挙において選挙違反罪に問われた事案。弁護人は、当該解散が憲法上無効であるから、無効な解散に基づく選挙における行為について刑事責任を追…