判旨
傷害罪(刑法204条)の成立には、暴行を加えて人を負傷させた場合、暴行の意思があれば足り、必ずしも傷害の故意を必要としない。
問題の所在(論点)
刑法204条の傷害罪が成立するために、結果として生じた傷害についての認識・認容(傷害の故意)が必要か、それとも暴行の故意があれば足りるか。
規範
傷害罪の成立には、暴行の故意があれば足り、結果として生じた傷害についての認識(傷害の故意)までは必要とされない。
重要事実
本件における具体的な事実は判決文からは不明であるが、被告人側が「傷害の故意がなければ傷害罪は成立しない」旨を主張し、憲法違反を理由に上告した事案である。
あてはめ
傷害罪の規定は、暴行によって人を負傷させた場合に成立するものである。本判決は、過去の判例を踏襲し、暴行の意思をもって行為に及び、その結果として傷害が生じた以上、傷害の故意が欠けていても同罪の成立を認めるべきであると解した。
結論
傷害罪の成立には暴行の意思があれば足りるため、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
暴行の結果として傷害が生じた場合、暴行罪の不法領得的要素を超えた結果的加重犯的構造を認める判例として、答案上は傷害罪の構成要件要素である「故意」の解釈として引用する。
事件番号: 昭和30(あ)2734 / 裁判年月日: 昭和31年2月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】傷害罪は結果犯であるが、その成立には暴行を加える故意があれば足り、傷害の結果を生じさせることまでの認識(傷害の故意)は必要とされない。 第1 事案の概要:本件における具体的な事実は判決文からは不明であるが、被告人側が傷害の結果に対する認識がなかったことを理由に、傷害罪の成立を争って上告したものと推…