判旨
刑法56条および57条の再犯加重規定は、憲法14条1項の法の下の平等に反しない。
問題の所在(論点)
刑法56条および57条に定められた再犯加重規定が、憲法14条1項の法の下の平等に反し違憲ではないか。
規範
刑法56条(再犯)および57条(再犯加重)の規定は、憲法14条1項に違反するものではない。過去の犯罪歴を理由に刑を重くすることは、合理的な根拠に基づく差別化であり、憲法の保障する平等原則に抵触しない。
重要事実
被告人は再犯加重規定(刑法56条、57条)を適用されたことに対し、当該規定が憲法14条1項の法の下の平等に反すると主張して上告した。なお、この違憲主張は原審(控訴審)では主張されていなかったものである。
あてはめ
最高裁判所は、既往の判例(昭和23年10月6日大法廷判決)を引用し、再犯加重規定が憲法14条1項に反しないことは明らかであると判示した。被告人の主張は量刑不当を主張するものに過ぎず、また原審で判断されていない事柄であるため、適法な上告理由には当たらないと解される。記録上、刑訴法411条を適用して判決を取り消すべき事由も認められない。
結論
刑法56条、57条は憲法14条1項に反せず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
再犯加重規定の合憲性を確認した極めて簡潔な判例である。答案上は、累犯加重が「二重処罰の禁止」や「平等原則」との関係で問われた際、本判例を根拠に「合理的な区別」として合憲性を肯定する流れで活用できる。
事件番号: 昭和28(あ)846 / 裁判年月日: 昭和28年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法56条及び57条に規定される累犯加重の制度は、憲法39条が禁止する二重処罰の禁止に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が刑法上の累犯にあたるとして、同法56条、57条に基づき刑を加重された事案。弁護人は、累犯加重は前罪について再び処罰するものであり、憲法39条の二重処罰禁止、および憲法37条…
事件番号: 昭和52(あ)1323 / 裁判年月日: 昭和52年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】累犯加重を定める刑法56条1項、57条の規定は、法の下の平等を定める憲法14条1項および二重処罰を禁止する憲法39条後段に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、以前に懲役刑に処せられた前科があったが、その執行終了の日から5年以内にさらに罪を犯した。裁判所はこれを刑法56条1項の累犯に当たると判…