判旨
被告人および弁護人の双方に第一回公判期日の召喚状が適法に送達されている場合、両者が揃って出頭しなかったとしても、公判手続を進行させることに訴訟法上の違法はない。
問題の所在(論点)
被告人および弁護人の双方が公判期日に欠席した場合において、そのまま手続を進行させることが刑事訴訟法上の手続違背(召喚および公判期日の運営に関する違法)に該当するか。
規範
公判期日の召喚状が被告人および弁護人の双方に対して適法に送達されている場合、特段の事情がない限り、両者の不出頭をもって直ちに訴訟手続を違法とする理由にはならない。
重要事実
原審の第一回公判期日に際し、被告人および弁護人の双方に対して召喚状が送達されていた。しかし、当該公判期日において被告人と弁護人のいずれもが出頭しなかった。上告人は、この点に憲法違反または訴訟法違反があるとして上告を申し立てた。
あてはめ
記録によれば、原審の第一回公判期日の召喚状は、被告人と弁護人のいずれにも送達されている。召喚という適法な手続が完了している以上、両者が自らの意思または不注意によって出頭しなかったとしても、裁判所が手続を進行させたことに所論のような違法は認められない。したがって、訴訟法違反を実質とする憲法違反の主張は当たらない。
結論
本件における公判手続に違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
本決定は、適法な召喚がなされた場合における被告人・弁護人の不出頭が、直ちに公判手続の瑕疵となるわけではないことを示している。実務上は、必要的弁護事件における弁護人の不出頭など、他の訴訟条件との兼ね合いに留意すべきであるが、本決定の射程としては、送達の有効性が認められる限り、当事者の不出頭を理由とした手続違憲の主張は困難であることを示唆している。
事件番号: 昭和24新(れ)519 / 裁判年月日: 昭和27年12月25日 / 結論: 棄却
控訴審の公判期日に被告人を召喚する手続がとられていなくても、その期日が被告人に通知されておれば、その控訴審の手続も違法ではない。