判旨
刑事訴訟における送達が書留郵便により適法になされ、かつ弁護人が公判期日に出廷して訴訟行為を行っている場合には、被告人の権利保護に欠けるところはなく、訴訟手続に違法はない。
問題の所在(論点)
書留郵便による送達の適法性と、弁護人が出廷して訴訟行為を行っている場合における被告人の権利保護(訴訟手続の適法性)が問題となる。
規範
公判期日の召喚状等の送達が書留郵便に付して適法になされていること、および弁護人が公判期日に出廷して実質的な訴訟行為を行っていることをもって、被告人の防御権等の権利保護が図られていると判断する。
重要事実
被告人に対する送達が書留郵便によって行われた。原審の第一回公判期日において、被告人本人の出欠状況については判決文からは不明であるが、被告人の弁護人が出廷し、必要な訴訟行為を行った。弁護人は、送達の不備等を理由とする訴訟法違反を主張して上告した。
あてはめ
本件における送達は、記録によれば書留郵便に付して適法になされたものであると認められる。また、原審第一回公判期日において、被告人の弁護人が実際に出廷して訴訟行為を行っている事実に照らせば、被告人の防御権行使の機会は実質的に保障されている。したがって、被告人の権利保護に欠ける事態は生じていないと評価される。
結論
送達手続に違法はなく、被告人の権利保護もなされているため、訴訟法違反の上告理由は認められない。
実務上の射程
送達の瑕疵を争う場面での反論として有用。仮に送達手続に些末な不備があったとしても、弁護人が出廷して有効な弁護活動を行っている限り、実質的な権利侵害がないとして適法性を維持する論理として活用できる。
事件番号: 昭和25(あ)403 / 裁判年月日: 昭和25年12月26日 / 結論: 棄却
記録に徴すると控訴裁判所においては、第一回公判期日を昭和二四年一一月二六日午前一〇時と定め、同月一〇日これを警察官、弁護人、被告人に通知したことが認められる論旨の指摘するとおり国選弁護人大畑正盛に対しては、郵便送達報告書が編綴してないがかかる通知は特段の規定がない限り必ずしも送達の方法によることを要せず、適宜の方法でこ…