貸金業等の取締に関する法律二条にいわゆる貸金業とは反覆継続の意思を以て金銭の貸付又は金銭の貸借を媒介することを指すものであり、(昭和二六年(あ)二七〇二号、同二八年二月三日第三小法廷決定参照)、必ずしも所論のように「普段の収入の源泉となす意思を以て」それらの行為をなした場合に限るべきいわれはない。
貸金業等の取締に関する法律第二条にいう「貸金業」の意義
貸金業等の取締に関する法律2条
判旨
貸金業の取締に関する法律にいう「貸金業」とは、反復継続の意思をもって金銭の貸付け又は金銭の貸借を媒介することを指し、必ずしもそれらの行為を普段の収入の源泉となす意思までを必要とするものではない。
問題の所在(論点)
貸金業の取締に関する法律(現:貸金業法)2条における「貸金業」の定義において、反復継続の意思に加えて「普段の収入の源泉となす意思」があることを要するか。
規範
「貸金業」とは、反復継続の意思をもって金銭の貸付け又はその媒介を行うことをいう。業として行われるといえるためには、営利の目的をもって不特定多数人を相手に反復継続的に行われることが一般的であるが、主観的要件としては「反復継続の意思」があれば足り、「普段の収入の源泉となす意思(生計を維持する意図)」までは要求されない。
重要事実
被告人が、貸金業の取締に関する法律に基づく登録等を受けずに、金銭の貸付け又はその媒介を行った事案。被告人側は、当該行為が「普段の収入の源泉となす意思」に基づくものではないから、同法にいう「貸金業」には該当しないと主張して上告した。
事件番号: 昭和27(あ)6819 / 裁判年月日: 昭和28年10月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】貸金業等の取締に関する法律にいう「貸金業」とは、名義の如何を問わず、金銭の貸付けまたは貸借の媒介を反復継続して行うことを指し、必ずしも生計を立てるために行う場合に限られない。 第1 事案の概要:被告人が、貸金業等の取締に関する法律(当時)に規定される登録等を受けずに金銭の貸付け等を行っていた事案に…
あてはめ
本件において、被告人は反復継続の意思をもって金銭の貸付け等を行っている。被告人側は、その行為が生活の資を得るための主要な手段(収入の源泉)であることを要件とするよう主張するが、同法の目的は無登録業者による弊害を防止することにある。したがって、反復継続の意思が認められる以上、それが収入の主たる源泉であるか否かにかかわらず、同法上の「貸金業」に該当すると評価される。
結論
貸金業とは反復継続の意思をもって金銭の貸付け等を行うことを指し、普段の収入の源泉となす意思は不要である。被告人の所為は貸金業に該当する。
実務上の射程
行政法規における「業として」の解釈全般に応用可能。不特定多数性や反復継続性が重視される一方で、主観的な目的(生計維持の意図)は限定的に解釈されるべきことを示す。答案では、反復継続性の認定において回数や態様だけでなく、主観的な意思の有無を検討する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和27(あ)2189 / 裁判年月日: 昭和28年11月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】貸金業等の取締に関する法律にいう「業として行う」とは、反復継続して金銭の貸付け等を行うことを指し、必ずしも営利の目的(利益を図ること)を必要としない。 第1 事案の概要:被告人が、貸金業等の取締に関する法律(現:貸金業法)の登録を受けずに金銭の貸付け等を行った。被告人側は、同法5条(現:貸金業法4…
事件番号: 昭和28(あ)3644 / 裁判年月日: 昭和29年4月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】「貸金業等の取締に関する法律」2条にいう「貸金業」とは、反復継続の意思をもって、金銭の貸付けまたは金銭の貸借の媒介をすることを指す。 第1 事案の概要:被告人が「貸金業等の取締に関する法律」(当時の法律)2条に規定される「貸金業」に該当する行為を行ったとして起訴された。弁護人は、原判決の判断に判例…
事件番号: 昭和28(あ)2460 / 裁判年月日: 昭和29年4月8日 / 結論: 棄却
貸金業等の取締に関する法律にいわゆる「貸金業」とは、反覆継続して行う意思の下に金銭の貸付又は金銭貸借の媒介行為を行うことをいい、利を図ることはその要件でない。
事件番号: 昭和28(あ)601 / 裁判年月日: 昭和30年4月22日 / 結論: 棄却
貸金業等の取締に関する法律第二条にいう「貸金業」の意義は当裁判所の判例(昭和二六年(あ)第八五三号同二九年一一月二四日大法廷判決)のとおりであつて客観的に観察して貸金業としての形態を備えることは右「貸金業」の要件には属しない。