判旨
被告人が第一審の裁判時に既に少年法上の「少年」に該当しない場合には、同法に定める少年のための特則は適用されない。
問題の所在(論点)
犯行時に少年であった者が、第一審の裁判時において既に成人(少年法上の少年でない者)となっている場合、少年法に基づく特則が適用されるか。
規範
少年法及び刑事訴訟法における少年のための保護規定や特則の適用有無は、原則として裁判時(審判時)の年齢を基準として判断される。
重要事実
被告人Cは、犯行時には少年であった可能性があるが(詳細は判決文からは不明)、第一審の裁判が行われた時点においては、既に少年法上の「少年」(20歳未満。当時)には該当しない年齢に達していた。
あてはめ
被告人Cについて記録を検討すると、第一審の裁判時において既に少年ではなかったことが認められる。少年法の適用対象は、刑事手続の各段階における実質的な年齢に基づいて判断されるべきであり、本件のように審判時点で既に成人となっている場合には、少年のための特別な手続や刑の減軽等の規定を適用する前提を欠くというべきである。
結論
被告人は第一審の裁判時に少年ではなかったため、少年法上の特則が適用されないことに違法はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
刑事手続において少年法の適用を受けるためには、原則として「審判時」に少年であることが必要であるという、年齢計算の基準時に関する実務上の基本的な立場を示すものである。答案上は、少年法から刑事手続へ移行した事案や、逆送後の公判中に成人した場合の処理を検討する際の基礎となる。
事件番号: 昭和23(れ)1538 / 裁判年月日: 昭和24年6月29日 / 結論: 棄却
一 法令違反の有無は原判決言渡の時の事實を基準として決定すべきもので、その後に生じた事實までも斟酌して決定すべきものではない。このことは舊少年法第八條を適用すべきか否かについても同様である。本件においては、被告人は原判決言渡當時十八歳未満であつたことは明白であるから、原判決が舊少年法第八條を適用して不定期刑を言渡したの…