判旨
転回禁止区域の指定が深夜に及ぶことの適否は、当該交通違反の成否とは直接関係がなく、憲法違反の主張の実質が単なる法令違反にすぎない場合は適法な上告理由にならない。
問題の所在(論点)
交通規制(転回禁止区域)の指定内容の妥当性を憲法違反として争うことが、刑訴法405条の上告理由として認められるか。
規範
憲法違反を主張する場合であっても、その実質が単なる法令違反の主張に帰するものであり、かつ判決に影響を及ぼすべき重要な事項でないときは、刑訴法405条の上告理由には当たらない。
重要事実
被告人が、道路交通取締法等に基づき指定された転回禁止区域において転回を行ったとして起訴された事案。被告人側は、当該転回禁止区域の指定が深夜にまで及んでいることが不当であり憲法に違反する旨を主張して上告した。
あてはめ
弁護人が主張する「転回禁止区域の指定が深夜に及ぶことの適否」については、本件の転回禁止違反という具体的な犯罪事実の存否や法令適用に関係するものではなく、その実質は単なる法令違反の主張にとどまる。また、記録を精査しても刑訴法411条を適用して判決を取り消すべき著しい正義に反する事由も認められない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらず、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
行政上の規制の妥当性を憲法違反の形式で争う際、それが具体的被告事件の成否に直結しない抽象的な不服である場合には、適法な上告理由として構成できないことを示唆している。答案上は、法令の違憲性を主張する際の具体的関連性の必要性を説明する文脈で参照し得る。
事件番号: 昭和30(あ)1205 / 裁判年月日: 昭和30年7月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法第405条の定める上告理由として、単なる法令違反や事実誤認の主張は認められない。 第1 事案の概要:被告人側が原審の判決に対し、法令違反および事実誤認があるとして最高裁判所へ上告を申し立てた事案。原審の判断の当否が争点となった。 第2 問題の所在(論点):弁護人が主張する「法令違反」およ…
事件番号: 昭和26(あ)4194 / 裁判年月日: 昭和28年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告について、事実誤認や量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらない。また、違憲の主張についても、先例の趣旨に照らし、憲法違反は認められない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その主張内容は事実誤認および量刑不当であった。また、弁護人からも憲法違反を理由とする上告がなさ…