判旨
少年法50条および9条の規定は、少年の刑事事件の審理における適正な手続を保障するための指針であるが、これらに違反したとしても直ちに判決に影響を及ぼす違法とはならない訓示規定である。
問題の所在(論点)
少年法50条および9条が定める審理・調査に関する規定は、これに違反した場合に判決を破棄すべき効力を有する効力規定か、あるいは単なる訓示規定か。
規範
少年法50条(審理の方式)および同法9条(調査の趣旨)は、少年の健全な育成を目的として審理を和やかに行うべきことや、少年の身上を調査すべきことを定めているが、これらは刑事訴訟の基本的原則を修正するものではあるものの、その性質は訓示規定にとどまる。
重要事実
被告人が少年の刑事事件として起訴された事案において、原審が少年法50条および9条の規定を訓示規定であると判断し、弁護人がこれを最高裁判例に違反し、かつ刑事訴訟法上不当であるとして上告を申し立てた。
あてはめ
判決文によれば、最高裁判所の過去の判例(昭和24年10月8日判決等)に基づき、少年法50条および9条は訓示規定であることが明らかであると解される。したがって、原判決がこれらの規定を訓示規定であると判示したことは正当であり、特段の違法は認められない。
結論
少年法50条および9条は訓示規定である。よって、これらへの抵触を理由とした上告は採用されず、棄却されるべきである。
実務上の射程
少年刑事事件において、審理の雰囲気や調査の不備を理由に手続違法を主張する際、本判決に基づき、単なる訓示規定違反のみでは判決に影響を及ぼす違法(刑訴法379条等)とは認められにくいという限界を示すものとして機能する。
事件番号: 昭和24(れ)1476 / 裁判年月日: 昭和24年11月10日 / 結論: 棄却
一 被告人が(舊)少年法にいわゆる少年たることは、舊刑訴第三六〇條にいわゆる「罪となるべき事実」に屬しない。 二 舊刑訴法第三六〇條にいわゆる「法令の適用」とは、具体的犯罪構成事實に適用すべき實体法規の適用をいうのであつて、舊少年法第八條第一項の適用の如きはこれに含まれない。 三 少年法にいわゆる少年であるか否かは、原…