判旨
食糧の供出割当が適法であり、かつ割当数量が実収高の範囲内である場合には、当該割当に基づく供出義務の不履行を処罰することは憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
食糧の供出割当が違法である、または実収高を超えていると主張される場合において、当該割当に基づく処罰が憲法に違反するか。
規範
行政処分としての供出割当が法令に基づき適法に行われ、かつその数量が客観的な収穫実績を超えない実当な範囲内にある限り、当該処分を前提とした刑罰規定の適用は違憲の疑いを生じない。
重要事実
被告人は食糧の供出割当を受けたが、これを違法無効であると主張し、かつ割当数量が自己の収穫した実収高を超えていると主張して、供出義務の不履行に伴う刑事責任を争い上告した。
あてはめ
本件では、原判決において本件供出割当が適法であることが既に確認されており、被告人の主張する違法性は認められない。また、割当数量についても、被告人の実際の実収高の範囲内であったことが事実認定されている。したがって、適法かつ実態に即した割当処分が存在することを前提とする限り、違憲をいう被告人の主張はその前提を欠く。
結論
本件供出割当は違法ではなく、実収高の範囲内であるため、これに基づく処罰は合憲である。
実務上の射程
行政処分の公定力や適法性を前提とした刑事罰の成否が争われる事案において、前提となる処分の適法性や事実関係の正確性が認定されれば、それに基づく処罰の合憲性は維持されるという論理を示す際に活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)5903 / 裁判年月日: 昭和29年3月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法及び食糧確保臨時措置法に基づく農産物の供出制度は、憲法に違反しない。また、供出数量の決定手続において異議申立の機会を保障し、災害等の事情を考慮して運用されている限り、その適用に違法はない。 第1 事案の概要:被告人らは、食管法及び食確法に基づき農産物の供出を求められたが、これに応じなかっ…