判旨
未決勾留日数の本刑への算入に関する不服は、実質的に量刑不当の主張にすぎず、刑訴法405条の上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
未決勾留日数の本刑通算に関する不服が、刑事訴訟法405条所定の上告理由(憲法違反等)に該当するか。
規範
未決勾留日数の算入(刑法21条)に関する判断の不当性を争う主張は、それが憲法違反を名目とするものであっても、その実質が算入日数の過少をいうものである限り、単なる量刑不当の主張として取り扱う。
重要事実
被告人が原判決において本刑に通算された未決勾留日数の少なさを不服とし、弁護人が憲法違反を理由に、被告人本人が量刑不当を理由にそれぞれ上告を申し立てた事案である。
あてはめ
弁護人の主張は憲法違反を標榜しているが、その実質は原判決が本刑に通算した未決勾留日数の不当性を主張するものである。また、被告人本人の主張も量刑不当をいうものである。これらは、刑訴法405条が定める憲法違反、憲法解釈の誤り、又は最高裁判例との相反といった適法な上告理由には該当しない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
未決勾留日数の算入についての実務上の争い方は、裁量権の逸脱・濫用(量刑不当)としてのみ構成可能であり、特段の事情がない限り憲法問題には昇華されないことを示している。答案上は、量刑判断の一部として扱うべきである。
事件番号: 昭和26(あ)478 / 裁判年月日: 昭和27年7月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】未決勾留日数を本刑に算入するか否かは裁判所の裁量に属し、これを算入しないことが直ちに憲法13条等に違反するものではない。 第1 事案の概要:被告人が昭和24年3月7日から同月25日までの18日間、未決勾留されていたにもかかわらず、第一審判決がこの日数を本刑に算入しなかった。弁護人は、この不通算が刑…