判旨
原判決の宣告後になされた勾留更新決定の違法は、原判決に影響を及ぼさないことが明白であるため、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
原判決の宣告後に行われた勾留更新決定の違法が、刑事訴訟法405条等に基づく適法な上告理由となり得るか、すなわち当該違法が判決に影響を及ぼすか否か。
規範
判決に影響を及ぼさないことが明白な勾留処分の違法は、刑事訴訟法上の上告理由とすることはできない。かかる違法に対する救済は、上告による原判決の破棄ではなく、別途適切な不服申立方法等によるべきである。
重要事実
被告人が勾留更新決定の違法を理由に上告を申し立てた。しかし、当該勾留更新決定(昭和27年7月1日および17日付)は、第2審の原判決が宣告された日(同年6月10日)よりも後になされたものであった。
あてはめ
本件における勾留更新決定は、原判決の宣告後になされている。仮に当該決定に手続上の違法があったとしても、時系列的に判決内容の形成に関与する余地はない。したがって、当該違法が原判決に影響を及ぼさないことは明白であるといえる。
結論
原判決後の勾留処分の違法は上告理由に当たらないため、本件上告は棄却される。
実務上の射程
手続的違法を理由に判決の破棄を求める場合、その違法が「判決に影響を及ぼすべき」ものである必要がある。勾留などの強制処分に関する違法については、公判手続そのものの適法性や判決内容の妥当性に直接連動しない限り、独立した救済手段(準抗告等)で争うべきであることを示す。
事件番号: 昭和27(あ)1311 / 裁判年月日: 昭和27年6月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留更新決定に違法があったとしても、その一事をもって直ちに原判決自体やその基本となった審判手続に違法があるとはいえない。 第1 事案の概要:被告人が原審のした勾留更新決定の違法を主張し、これを理由に原判決の取消しを求めて上告した事案である。弁護人は、当該勾留更新決定が不当であることにより、原判決の…