判旨
酒税法の規定が特定の人種を差別することなく平等に適用されている場合、憲法14条1項等の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
酒税法14条および60条の規定が、朝鮮人と日本人の間に人種的な差別を設け、憲法14条1項等の法の下の平等の原則に違反するか。
規範
法の下の平等を定める憲法14条の趣旨に照らし、法律の規定が人種等の属性を問わず一律に適用され、かつ運用において不合理な差別が認められない場合には、当該規定は違憲ではない。
重要事実
被告人が、酒税法14条および60条の規定について、朝鮮人と日本人を差別するものであり憲法に違反すると主張して上告した事案である。
あてはめ
酒税法14条および60条の規定は、朝鮮人であるか日本人であるかを問わず、すべての人に対して等しく適用されるものと解される。また、本件の事実関係において、所論のような人種的差別が行われたと認めるべき証拠は全く存在しない。したがって、当該規定およびその運用が特定の人種を不当に差別しているとはいえない。
結論
酒税法14条および60条は憲法に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
法規範が形式的に平等な文言で構成され、かつ実質的な運用においても差別の立証がない場合には、違憲の主張は認められないという、法の下の平等の形式的・実質的側面を確認する際のリファレンスとして機能する。
事件番号: 昭和28(あ)2070 / 裁判年月日: 昭和28年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】酒税法に朝鮮人に対する差別的な規定は存在せず、また酒類製造免許の申請が朝鮮人であることを理由に不許可とされた事実も認められないため、憲法14条違反には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が酒類製造免許の申請を行ったところ、不許可となった。被告人側は、この不許可処分が朝鮮人であることを理由とする差…
事件番号: 昭和27(あ)4304 / 裁判年月日: 昭和27年12月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が諸般の事情を考慮して法定刑の範囲内で刑を科した以上、執行猶予を付さず実刑としたことや、犯情の類似した他者と処罰に差異があることは、憲法14条の法の下の平等に反しない。 第1 事案の概要:被告人が、原判決において執行猶予の言渡しを受けず実刑に処されたこと、および罰金刑ではなく体刑に処されたこ…