判旨
証人の供述において、取引の日時、回数、数量および代金が具体的に示されている場合には、これに基づき犯罪事実を認定することが可能であり、証拠としての許容性と証明力が認められる。
問題の所在(論点)
刑事訴訟において、証人の供述が犯罪事実を認定するに足りる具体的な内容を備えているか、またそれに基づき事実認定を行うことが適法か(事実誤認や理由不備の有無)。
規範
事実認定の基礎となる証拠(証言)については、対象となる犯罪事実の構成要素(日時、回数、数量、対価等)が具体的に供述されていることが必要であり、その具体性によって犯罪事実を十分に認定し得る程度の証明力を備えるべきである。
重要事実
被告人が米を転売した事案において、第一審判決は証人AおよびBの供述を証拠として採用した。これらの証人は、第一審の公判期日において、検察官の質問に対し、被告人から米を買い受けた際の日時、回数、数量および買受代金を具体的に供述していた。
あてはめ
本件証人らの供述は、取引の具体的態様である日時、回数、数量、代金を詳細に含むものである。このような具体的供述は、犯罪事実を特定し、その存否を判断するに足りる客観的信憑性を有すると評価できる。したがって、原判決が第一審の認定を維持したことは正当であり、特段の訴訟法違反や事実誤認は認められない。
結論
本件上告を棄却する。具体的供述に基づく事実認定には適法な証拠能力と証明力が認められる。
実務上の射程
証言の具体性が事実認定の成否を分ける実務上の指標となることを示唆している。答案上は、伝聞例外や証拠の証明力を論じる際に、供述内容の具体性が認定を支える根拠となることを指摘する場面で活用できる。
事件番号: 昭和23(れ)908 / 裁判年月日: 昭和23年12月24日 / 結論: 破棄差戻
第一審相被告人Aに對する判事の訊問に對いてなした、同人が玄米三俵を自宅より四丁位離れた附近まで運搬して被告人に引渡したこと及び同人が歸宅して疊の上に上つて見ると新聞紙に三六〇〇圓の金があつたこと、その金は、被告人がその後廣島方向へ行つて、行先きが判らなかつたので、そのまま返還はしていない旨の同人の供述記載をば、被告人の…