判旨
被告人が民主的団体の主要な地位にあることを理由に差別的取扱いを受けたという形跡が認められない以上、平等原則等に違反するとの主張はその前提を欠き、採用することはできない。
問題の所在(論点)
被告人が特定の社会的地位(民主的団体の主要な地位)にあることを理由に差別的な取扱いを受けたと主張する場合、どのような基準で憲法違反の有無が判断されるか。
規範
憲法14条1項の法の下の平等に反するか否かは、公権力による処遇において、被告人の信条や社会的身分を理由とした不合理な差別的取扱いが客観的かつ具体的に認められるかによって判断される。
重要事実
被告人Aらが刑事訴追等を受けた事案において、被告人らは自らが「民主的団体の主要な地位」にあることを理由として、公権力からことさらに差別的な取扱いを受けたと主張し、憲法違反を理由に上告した。
あてはめ
記録を精査しても、被告人らが民主的団体の主要な地位にあるために、ことさらに差別的取扱いを受けたという形跡は認められない。したがって、差別的事実が存在することを前提とする被告人の憲法違反の主張は、その前提事実を欠くといえる。
結論
被告人の主張は前提を欠き、憲法違反には当たらないため、本件各上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、差別的取扱いを理由とする憲法違反の主張に対し、まずその前提となる差別的事実の存否を厳格に認定する姿勢を示している。答案作成上は、平等原則違反を論じる際に、具体的な差別的事実の有無を検討するプロセスを省略してはならないことを示唆するものである。
事件番号: 昭和28(あ)1030 / 裁判年月日: 昭和29年12月21日 / 結論: 棄却
政党地区委員会の開催する演劇の主催者が、その観覧希望者にあらかじめ同政党政治資金寄附名義で一定額の金員(百円)を出捐させておき、劇場入場の際さらに免税点最高額の金員(四円九十九銭)を追加支払わしめた場合には、右観劇のための入場対価は、この両者を合算した価額(百四円九十九銭)であつて、これが入場税の課税対象となる。