判旨
旧銃砲等所持禁止令が憲法に違反しないことは判例の確立したところであり、また昭和22年法律第72号1条の2の規定に照らし、同令が昭和22年12月31日をもって当然に失効することはない。
問題の所在(論点)
旧銃砲等所持禁止令(およびこれに基づく処罰規定)が憲法に違反するか。また、同令は昭和22年12月31日をもって失効したと解されるか。
規範
特定の行政上の規制(本件では銃砲等の所持禁止)を定めた法令について、当該法令が憲法に違反しないことは確立した判例に従うべきである。また、法令の有効期間については、関連する法律(昭和22年法律第72号)等の経過措置・規定を合理的に解釈し、失効時期を判断する。
重要事実
被告人は銃砲等の所持禁止に抵触する行為を行い、旧銃砲等所持禁止令(および銃砲刀剣類等所持取締令附則3項に基づく適用)により処罰された。これに対し弁護人は、同禁止令が違憲であること、および昭和22年12月31日をもって失効していることを理由に上告した。
あてはめ
まず、憲法適合性については、大法廷の判例(昭和23年6月23日判決等)により既に合憲性が確定している。次に、失効の有無については、昭和22年法律第72号1条の2の規定を確認すると、所定の法令が当然に失効しないことを予定していることが明白である。したがって、所論のように特定の期日をもって失効したとみる余地はない。
結論
旧銃砲等所持禁止令は合憲であり、かつ所定の期日で失効した事実もないため、同令を適用して被告人を処罰した原判決に誤りはない。
実務上の射程
戦後の法秩序の移行期における法令の効力と憲法適合性が争点となった事案である。司法試験の答案上は、法令の違憲審査や効力継続の有無を論じる際の歴史的先例として位置づけられるが、現代の銃刀法に関する論点としては直接引用する機会は少ない。むしろ、先行する大法廷判例を引用して違憲主張を排斥する裁判所の判決手法の一例として参照される。
事件番号: 昭和26(れ)2420 / 裁判年月日: 昭和27年5月6日 / 結論: 棄却
法令にいう「従前の例による」とは「改正廃止前に行われた違反行為に対してはその改正廃止後も改正廃止前に行われた違反行為の罰則の適用に関する範囲においてはこれを改正廃止しない趣旨であつて、一旦廃止して更に改めて罰則を設けるという趣旨ではない」とするのが当裁判所の判例であるから所論はその前提を欠くもので理由がない。(昭和二五…
事件番号: 昭和26(あ)1852 / 裁判年月日: 昭和28年2月13日 / 結論: 棄却
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