判旨
判決書において量刑の基礎となる法定刑の選択および加重の根拠が示されている場合、法令の適用の示し方に違法はない。
問題の所在(論点)
判決書における法令の適用の摘示において、量刑の根拠となる法定刑の選択や加重の記載が不十分である場合、訴訟法上の違法(法令適用の不備)となるか。
規範
判決における法令の適用の摘示については、量刑の基礎となる法定刑の選択、および刑の加重・減軽に関する法令上の根拠が示されていることを要し、これらが適切に示されていれば法令適用の違法は認められない。
重要事実
本件は旧刑訴法から新刑訴法への移行期における審判の特例が問題となった事件である。被告人側は、原判決の法令の適用の示し方や量刑の基礎となる法定刑の選択および加重の根拠に違法があるとして上告を申し立てた。
あてはめ
原判決は「旧刑訴事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則」に従い、適切に法令の適用を示していた。また、裁判所は量刑の基礎となる法定刑をいかに選択し、どのような理由で刑の加重を行ったかという法令上の根拠も明示していた。したがって、手続上の不備や判断の誤りは認められない。
結論
原判決に法令適用の違法は認められず、上告は棄却される。
実務上の射程
判決書の記載事項のうち「法令の適用」において、科刑の根拠となる条文や加重減軽の事由がどのように示されるべきかという形式的要件を論ずる際の参照資料となる。特に量刑のプロセスを法的根拠に基づいて示すべきとする実務上の要請を裏付けるものである。
事件番号: 昭和25(あ)1252 / 裁判年月日: 昭和26年2月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の量定は事実審の裁量権に属する事項であり、単なる量刑不当の主張は刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人が上告を申し立てた際、弁護人は形式上は憲法違反を主張の根拠として掲げていた。しかし、その主張の実質的な内容は、事実審が裁量権の範囲内で行った刑の量定を不服とするもの…
事件番号: 昭和26(あ)2321 / 裁判年月日: 昭和28年2月24日 / 結論: 棄却
記録を調べると原判決書の記載には所論のような違法があることはこれを認めざるを得ないのであるが、ただ未だ以て刑訴四一一条を適用すべきものとは云い得ないのである。(註)「第一審が無罪とした判示第四事実について破棄自判して有罪と認めるに当り証拠説明を遺脱したもの」