判旨
判決で認定された事実が公訴事実とその基礎となる事実において同一性を失わない限り、訴因変更の手続きを経ることなく判決を下しても違法ではない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法における訴因変更手続き(312条1項)の要否、および「公訴事実の同一性」の判断基準が問題となる。
規範
裁判所が判決を下す際、認定した事実が公訴事実(訴因)とその基礎となる事実において同一性を失わない範囲内であれば、訴因変更の手続きを要しない。
重要事実
被告人が起訴された公訴事実に対し、原審(控訴審)は一定の事実認定を行った。弁護人は、この原判決の認定事実が公訴事実と異なり、訴因変更の手続きを経ずに判断されたことが訴訟法違反であると主張して上告した。
あてはめ
本件における原判決の認定事実は、当初の公訴事実とその基礎となる事実において同一性を失うものではないと認められる。したがって、改めて訴因変更の手続きを経る必要性は認められず、手続き上の瑕疵(訴訟法違反)は存在しないと判断される。
結論
原判決の認定事実は公訴事実と同一性を有するため、訴因変更の手続きを経ずに判決を下したことは適法であり、上告は棄却される。
実務上の射程
訴因変更の要否に関するリーディングケースの一つ。答案上では、認定事実が訴因の範囲内(同一性あり)である場合に、手続きの省略を正当化する根拠として引用する。
事件番号: 昭和24(れ)2960 / 裁判年月日: 昭和26年2月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】物価庁告示による統制額を超えた取引後に告示が改廃・廃止された場合でも、犯罪時の告示に従って処断すべきであり、法令による刑の変更や廃止(刑法6条等)には該当しない。また、証拠物である伝票を被告人に示して意見弁解を聞いた場合には、適法な証拠調べが行われたものと解される。 第1 事案の概要:被告人両名は…