判旨
刑事訴訟法施行法3条の2に基づき、特定事件の上告理由を刑事訴訟法405条の範囲内に制限することは、憲法13条(個人の尊重)および14条(法の下の平等)に違反しない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法施行法3条の2が、上告理由を制限していることは、憲法13条および14条に違反するか。また、原審における手続(通牒の引用、公判更新の省略、代表者欠席での審理)に違法があるか。
規範
刑事訴訟手続の細目や上告理由の範囲については、立法府に広範な裁量が認められる。特定の経過措置や事件の種類に応じ、法律によって上告理由を制限したとしても、それが合理的な根拠に基づくものである限り、憲法13条の個人の尊重や14条の法の下の平等に反するものではない。
重要事実
被告人5名および被告会社が、物価統制令違反等の罪に問われた事件である。弁護人は、刑事訴訟法施行法3条の2により上告理由が制限されていることが憲法13条および14条に違反すると主張した。また、原審において通牒が引用されているが根拠条文の適用が不明確である点、公判手続更新の省略、被告会社の代表者不在での審判等の手続的違法も主張して上告した。
あてはめ
憲法違反の主張については、当裁判所の過去の判例の趣旨に照らし、上告理由を制限することは合憲であることが明らかである。手続面については、原判決が通牒を掲げている以上、その根拠となる物価統制令7条を適用したものと解される。また、公判手続更新の省略は当時の訴訟規則施行規則3条3号に基づき適法であり、被告会社の代表者不在についても旧刑訴法367条の規定により審理・判決が可能であるため、いずれも違法とはいえない。
結論
本件各上告を棄却する。刑事訴訟法施行法3条の2による上告理由の制限は合憲であり、原審の手続にも違法はない。
実務上の射程
刑事訴訟における上告制限規定の合憲性を肯定した事例。司法試験においては、法の下の平等(14条)や適正手続(31条等)の観点から、訴訟手続における立法裁量の広さを説明する際の補助的な論拠として活用できるが、現在は旧法下の経過措置に関する判断としての性格が強い点に留意すべきである。
事件番号: 昭和26(あ)52 / 裁判年月日: 昭和27年2月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑の執行猶予を言い渡さないことは、憲法13条が保障する人権を侵害するものではない。 第1 事案の概要:被告人Aおよび被告人Bが、有罪判決を受けた際、裁判所から刑の執行猶予の言渡しを受けなかった。これに対し被告人Bの弁護人は、執行猶予を付さなかったことが憲法13条に保障された人権を侵害するものである…