判旨
適法に指定された公判期日に被告人及び弁護人が正当な理由なく出頭しない場合、裁判所がそのまま審判を進めても、弁護権を不法に制限したものとはいえず、憲法13条等に違反しない。
問題の所在(論点)
被告人及び弁護人が適法に指定された公判期日に正当な理由なく欠席した場合に、裁判所がそのまま審理を進行させることが、弁護権の不当な制限として違法または違憲となるか。
規範
被告人及び弁護人の公判期日への出頭は権利であるとともに義務であり、適法な期日の指定があるにもかかわらず、正当な事由なく欠席した場合には、被告人側の不出頭による不利益(弁護権の行使機会の喪失)を甘受すべきであり、裁判所が審判を進めることは違法ではない。
重要事実
被告人及び弁護人は、適法に指定された原審(控訴審)の第4回公判期日において、正当な理由がないにもかかわらず出頭しなかった。原審は、両者が欠席したまま審理を進め、判決を言い渡した。これに対し弁護人は、被告人らの不在下で審判を行ったことは弁護権を不法に制限するものであり、憲法13条等に違反すると主張して上告した。
あてはめ
本件において、原審の第4回公判期日は適法に指定されていた。しかし、記録によれば被告人及び弁護人は正当な事由なく同期日に出頭しなかった。このような状況下では、被告人側が自ら権利を行使する機会を放棄したものと評価できるため、裁判所が審判を継続しても、被告人の防御権や弁護人の弁護権を不当に侵害したことにはならない。したがって、訴訟手続上の違法は認められない。
結論
被告人及び弁護人が正当な理由なく欠席した以上、原判決に弁護権を不法に制限した違法はなく、憲法違反にも当たらないため、上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は控訴審における被告人等の欠席事案に関する判断である。刑事訴訟法286条、286条の2、391条等の欠席裁判規定の運用の背後にある「被告人の権利放棄」の論理を示すものとして活用できる。特に、被告人側が訴訟を遅延させる目的で不出頭を繰り返すような場面において、手続の進行を正当化する際の根拠となる。
事件番号: 昭和26(あ)1718 / 裁判年月日: 昭和27年7月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】勾留または逮捕の手続に違法があったとしても、それに対する救済は他の方法によって求めるべきであり、先行する身柄拘束手続の違法は直ちに判決の破棄理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人AおよびBは、刑事事件において有罪判決を受けた。これに対し被告人らは、自らの勾留または逮捕の手続に重大な違法があっ…