判旨
判決訂正の申立において、申立人がその理由を何ら示さない場合には、刑事訴訟法417条により申立を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立において、申立人が理由を明示しない場合に、裁判所はどのような措置を講ずべきか(同法417条の適用範囲)。
規範
刑事訴訟法415条に基づく判決訂正の申立については、同法417条の規定により、申立に正当な理由がないと認められるときは、裁判所の決定をもって申立を棄却しなければならない。理由の提示がない申立は、実質的な審理の対象を欠く不適法なものとして棄却の対象となる。
重要事実
横領、銃砲等所持禁止令違反の被告事件に関し、昭和26年7月10日に下された最高裁判所の決定に対し、被告人および弁護人が判決訂正の申立を行った。しかし、申立人らは当該申立を行うにあたり、訂正を求めるべき具体的な理由を一切示していなかった。
あてはめ
本件において、被告人および弁護人は判決訂正の申立書を提出しているが、その内容は訂正の必要性を基礎付ける具体的な根拠や理由を欠くものであった。このように理由が全く示されていない以上、判例法理または法の予定する正当な申立としての要件を満たさず、同法417条にいう「理由がない」場合に該当すると解される。したがって、実体判断に入るまでもなく棄却を免れない。
結論
本件申立は理由の提示がないため、刑事訴訟法417条に基づき棄却される。
実務上の射程
判決訂正の申立(刑訴法415条以下)という極めて限定的な手続における判断であるが、不服申立手続において理由の提示が不可欠であることを示す。実務上、上告審判決の誤り等を是正する例外的な手段であるため、具体的かつ明確な理由の記載が、適法な申立としての実質的要件となることを示唆している。
事件番号: 昭和26(み)15 / 裁判年月日: 昭和26年12月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決に内容の誤りがあるとしてなされた訂正の申立てについて、申立てに理由がない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき、決定をもってこれを棄却すべきである。 第1 事案の概要:本件において、申立人は最高裁判所の判決に対し、内容に誤りがあるとして判決訂正の申立て(刑事訴訟法417条1項、刑事訴訟法施行…
事件番号: 昭和26(す)312 / 裁判年月日: 昭和26年9月13日 / 結論: 棄却
然し当裁判所のした上告棄却の決定に対する本件訂正申立はただ被告人の本籍地の表示の訂正を求めるだけであつて、当裁判所の前示裁判の内容に誤のあることを理由とするものでなく、従つて、刑訴四一五条一項の要件を欠くから同四一七条一項に従いこれを棄却する。
事件番号: 昭和26(す)243 / 裁判年月日: 昭和26年7月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決に訂正すべき事由が認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき、判決訂正の申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、昭和25年(あ)第3407号強盗殺人被告事件について、昭和26年7月5日に最高裁判所が言い渡した判決に対し、判決訂正の申立てを行った。当該判決の内…