判旨
現行の死刑制度は憲法に違反するものではなく、過去の大法廷判決の趣旨に照らして合憲である。
問題の所在(論点)
現行の死刑制度が憲法(特に「残虐な刑罰」を禁じる36条等)に違反し、違憲とされるべきか。
規範
現行の死刑制度は憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」には該当せず、また憲法11条、13条、31条等にも違反しない。過去の大法廷判決が示した合憲の趣旨は現在においても維持されるべきであり、変更の必要性は認められない。
重要事実
被告人は強盗殺人等の罪に問われ、第一審において死刑を言い渡された。被告人側は、死刑制度自体が憲法に違反するものであると主張し、また量刑の不当や事実誤認、自白の任意性欠如などを理由に上告した。特に、死刑という刑罰そのものの違憲性が争点となった。
あてはめ
最高裁判所は、昭和22年、23年、24年、26年、27年の累次の大法廷判決を引用した。これらの判例において、死刑制度が憲法に違反しないことは既に確立された判断枠組みである。本件においても、社会情勢や法理の変遷を考慮してもなお、右判例の趣旨を変更すべき特段の事情は認められない。したがって、死刑制度を維持する現行法および本件での死刑適用は憲法違反には当たらない。
結論
本件上告を棄却する。死刑制度は憲法に違反しない。
実務上の射程
死刑制度の合憲性を争う際のリーディングケースを再確認した判例である。司法試験においては、死刑制度の違憲性が論点となる場合、本判決が依拠する昭和23年3月12日大法廷判決等の流れを汲み、一貫して合憲とされている実務上の立場を記述する際の根拠となる。
事件番号: 昭和28(あ)185 / 裁判年月日: 昭和29年7月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法200条(旧規定)における配偶者の直系尊属を殺害した場合の尊属殺人罪の規定は、憲法14条の法の下の平等に違反せず合憲である。 第1 事案の概要:被告人が配偶者の直系尊属を殺害した事案において、第一審および控訴審は、旧刑法200条の尊属殺人罪を適用して処断した。弁護人は、尊属殺人罪の規定が憲法1…
事件番号: 昭和22(れ)119 / 裁判年月日: 昭和23年3月12日 / 結論: 棄却
一 死刑そのものは憲法第三六條にいわゆる「殘虐な刑罰」ではなく、したがつて刑法死刑の規定は憲法違反ではない。補充意見がある。 二 原審辯護人が原審公判において、被告人に精神病の懸念があることを主張したに過ぎないときは、刑事訴訟法第三六〇條第二項に規定する事由があることを主張したものとは解せられないので、原判決がその點に…