判旨
死刑制度は憲法に違反せず、量刑において被告人の前科を考慮することは憲法39条後段の二重処罰の禁止に触れない。
問題の所在(論点)
死刑制度は憲法に違反するか。また、量刑において被告人の前科を考慮することは、憲法39条後段が禁じる「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれる」ことに該当するか。
規範
1. 死刑制度の合憲性については、昭和23年3月12日大法廷判決の判例を維持し、憲法に違反しない。2. 量刑の判断において、被告人の前科を考慮要素に含めることは、過去の犯罪について重ねて刑事責任を問うものではなく、憲法39条後段が禁じる二重の処罰には当たらない。
重要事実
被告人AおよびBは、刑事裁判の量刑において死刑が選択されたこと、および量刑判断の過程で被告人の前科が考慮されたことに対し、死刑の違憲性および憲法39条後段(二重処罰の禁止)違反を主張して上告した。
あてはめ
死刑については、既に確立された大法廷判決の趣旨に照らし、憲法違反とは認められない。また、前科の考慮については、それが第一審判決の量刑の相当性を判断するための事情として用いられる限りにおいて、新たな処罰を科すものではなく、適法な量刑判断の範疇に属する。したがって、憲法39条後段の規定に違反するとの主張は当たらない。
結論
本件死刑判決および前科を考慮した量刑は合憲であり、被告人らの上告を棄却する。
実務上の射程
量刑論における前科の評価が二重処罰に当たらないことを示した判例である。答案上は、累犯加重や情状としての前科考慮の合憲性を論じる際の根拠として用いることができる。
事件番号: 昭和30(あ)2384 / 裁判年月日: 昭和30年12月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑罰としての死刑そのものは、直ちに憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」に該当するものではない。本件においても、従前の大法廷判決の趣旨を維持し、死刑の合憲性を認めるべきである。 第1 事案の概要:被告人は殺人事件の犯人として起訴された。第一審および控訴審において自白がなされていたが、上告審において被告人…
事件番号: 昭和44(あ)1212 / 裁判年月日: 昭和45年3月26日 / 結論: 棄却
検察官が控訴を申し立て第一審判決の刑より重い刑の判決を求めることが憲法三九条に違反しないことは、昭和二四年新(れ)第二二号同二五年九月二七日大法廷判決(刑集四巻九号一八〇五頁)の判示するとおりであり、検察官が死刑の判決を求める場合もその例外とは解されない。