判旨
尊属殺重罰規定である刑法200条(当時)は、法の下の平等を定める憲法14条および個人の尊厳・両性の本質的平等を定める憲法24条2項に違反しない。
問題の所在(論点)
尊属殺を普通殺人よりも重く処罰する刑法200条(削除前)の規定は、憲法14条および憲法24条2項に違反し、違憲無効となるか。
規範
刑法200条の尊属殺規定は、尊属に対する敬愛の念という道徳的配慮に基づくものであり、普通殺人罪より重く処罰することは憲法14条の「平等原則」に直ちに反するものではない。また、憲法24条2項が定める家族関係に関する立法事項には、親族間の処罰に関する刑罰規定の制定を禁じる趣旨は含まれない。
重要事実
上告人は、尊属殺(当時の刑法200条)の罪に問われたが、同条が憲法14条(法の下の平等)および憲法24条2項(尊厳と平等に基づく家族法の原則)に違反し無効であると主張して上告した。
あてはめ
判決文によれば、尊属殺規定の合憲性については過去の大法廷判決(昭和25年10月25日判決等)が確立しており、本件においてもこれに従うべきであるとされる。したがって、親族間の処罰事項に関する立法は憲法24条2項の包含する範囲外であり、かつ憲法14条の平等原則にも抵触しない。具体的な犯行態様等の事実は判決文からは不明であるが、法理の適用として合憲性が維持される。
結論
刑法200条は憲法14条および24条2項に違反しない。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は後に昭和48年大法廷判決により変更され、刑法200条は違憲とされるに至る。答案作成上は、本判決が示した「尊属への道徳的配慮による重罰化の許容」という構成が、後に「目的は正当だが手段(法定刑)が著しく不合理」として否定された文脈を理解するための対比として用いる。
事件番号: 昭和28(あ)185 / 裁判年月日: 昭和29年7月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法200条(旧規定)における配偶者の直系尊属を殺害した場合の尊属殺人罪の規定は、憲法14条の法の下の平等に違反せず合憲である。 第1 事案の概要:被告人が配偶者の直系尊属を殺害した事案において、第一審および控訴審は、旧刑法200条の尊属殺人罪を適用して処断した。弁護人は、尊属殺人罪の規定が憲法1…