判旨
共同正犯の成立において、共犯者全員の具体的な判示は必ずしも必要ではなく、判例の趣旨に照らし共同正犯の構成要件を充足する判示がなされていれば足りる。また、量刑不当や単なる訴訟法違反の主張は、刑訴法405条の上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
1. 共同正犯の成立を認める際の判示方法として、どのような程度の内容が必要か。2. 量刑不当や単なる訴訟法違反の主張が、刑訴法405条所定の上告理由に該当するか。
規範
共同正犯(刑法60条)の判示においては、共犯者の具体的氏名や個別の動作が微細に特定されていなくとも、共同実行の意思(共謀)とそれに基づく実行行為の存在が認められ、共同正犯としての構成要件を充足していると解される判示方法であれば適法である。
重要事実
被告人が共同正犯として起訴され、有罪判決を受けた事案において、弁護人が共同正犯の判示方法に不備があること、量刑が不当であること、および憲法14条1項に違反する疑いがあること等を理由に上告を申し立てた。なお、具体的事件の事実関係の詳細は本判決文からは不明であるが、先行する大法廷判例(昭和23年(れ)第582号等)を引用する形式で判断がなされている。
あてはめ
1. 共同正犯の判示方法については、先行する大法廷判例(昭23.11.10、昭25.10.26)が存在し、これらに照らせば本件の判示内容は共同正犯の成立を認めるに十分であるといえる。2. 弁護人が主張する訴訟法違反や量刑不当の点は、刑事訴訟法405条が規定する適法な上告理由には該当せず、実質的な憲法違反の主張(憲法14条)についても、判例(昭23.10.6)の趣旨に照らせば本件には該当しないことが明らかである。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由を具備せず、または理由がないため、棄却される。
実務上の射程
実務上、共同正犯の判示において共犯者の氏名が一部不詳であっても、共謀と実行の事実が特定されていれば足りることを確認する際に参照される。答案上では、実行行為の分担や共謀の認定が簡略であっても、判例上は適法とされる限界を示すものとして位置づけられる。
事件番号: 昭和26(れ)2525 / 裁判年月日: 昭和27年6月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共同被告人の供述のみに基づいて被告人の犯罪事実を認定することは憲法38条3項に違反する可能性があるが、他に補強証拠が存在する場合には当該認定は適法である。 第1 事案の概要:被告人Aおよび被告人Bが起訴された事件において、弁護人は、原判決が共同被告人Aの供述のみに基づいて被告人Bの犯罪事実を認定し…