判旨
刑事訴訟法212条2項に規定される準現行犯逮捕は、憲法33条が要求する令状主義の例外として認められる現行犯逮捕の一種であり、合憲である。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法212条2項が定める準現行犯逮捕の規定は、憲法33条(令状主義)に違反しないか。
規範
憲法33条は令状主義を原則とするが、現行犯逮捕については例外を認めている。刑事訴訟法212条2項に定める準現行犯逮捕は、犯行との時間的・場所的接着性、および罪状の明白性に鑑み、現行犯逮捕に準ずるものとして令状を不要とする合理的な根拠があり、合憲である。
重要事実
被告人が準現行犯として逮捕された事案。弁護人は、準現行犯逮捕が令状主義を定める憲法33条に違反する旨を主張し、上告した。なお、判決文からは具体的な犯行内容や逮捕に至る詳細な経緯は不明であるが、逮捕手続書において準現行犯逮捕であることが明確に記録されていた事案である。
あてはめ
本件における被告人の逮捕は、逮捕手続書によれば準現行犯として行われたものである。最高裁判所の先例(昭和25年(あ)第1366号)の趣旨に照らせば、一定の要件を満たす準現行犯逮捕は、憲法が許容する現行犯逮捕の範疇に含まれる。したがって、本件における逮捕手続が適法である以上、憲法違反という主張はその前提を欠く。
結論
準現行犯逮捕は憲法33条に違反せず合憲である。したがって、被告人の上告は棄却される。
実務上の射程
準現行犯逮捕の合憲性を端的に肯定した判例である。司法試験の答案作成においては、刑事訴訟法212条2項の適用が問題となる場面で、令状主義の例外としての正当性を裏付ける論拠(憲法33条との関係)として活用できる。特に「現行犯逮捕」の概念に準現行犯が含まれることを前提とする判断枠組みを示す際に有用である。
事件番号: 昭和26(あ)1112 / 裁判年月日: 昭和27年4月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】犯行後に現場から立ち去る動きを見せている状況であっても、時間的・場所的近接性が保たれていれば、刑事訴訟法212条1項の「現に罪を行い終った者」に該当し、現行犯逮捕は適法である。 第1 事案の概要:被告人が犯行後、任意に車両から降車して歩行し、現場から立ち去ろうとしていた状況において、捜査官らが被告…