判旨
刑法上の再犯加重規定は、憲法に違反せず合憲である。過去に確定判決を受けた者が再び罪を犯したことに対して刑を重くすることは、二重処罰の禁止等に抵触しない。
問題の所在(論点)
刑法における再犯加重規定が、二重処罰の禁止(憲法39条)や適正手続(憲法31条)等の合憲性原理に照らして妥当か。
規範
再犯加重(刑法56条、57条等)の規定は、憲法が禁ずる二重処罰や適正手続に反するものではなく、合憲である。これは、既に確定した前科の責任を重ねて問うものではなく、前科があるにもかかわらず更生せず、再び犯罪に及んだという新たな犯行の態様・責任の重さを評価して刑を量定するものであるため、憲法上の各原則に抵触しない。
重要事実
被告人は、過去に確定判決を受けた前科を有していたが、再び犯罪に及んだ。これに対し、裁判所が刑法上の再犯規定を適用して刑を加重したところ、被告人側は当該規定が憲法に違反するものであると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、昭和24年12月21日の大法廷判決を引用し、再犯加重が合憲であることは既に確立された判例であると判示した。本件においても、被告人の再犯という事実に基づき刑を加重することは、前科に対する重ねての処罰ではなく、再犯という反社会的な性格や強い非難可能性を刑に反映させる合理的な根拠があるものと解される。
結論
再犯加重は合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
再犯加重規定の合憲性は本判決および引用される昭和24年大法廷判決により決着している。司法試験においては、二重処罰禁止の論点(憲法39条)や責任主義の文脈で、前科という事実を「犯行後の情状」ではなく「犯行時の責任」の重層的評価として用いることの正当性を基礎づける際に参照される。
事件番号: 昭和27(あ)2416 / 裁判年月日: 昭和27年9月12日 / 結論: 棄却
併合罪の関係にある一部の罪について確定裁判がなされても、その既判力は他の部分の罪には及ばないし、右両者の罪は同一の犯罪ではなく別個の犯罪であつて、後者の罪を審理裁判したことは確定判決に判示された前者の罪につき再び審理裁判をしたものということはできないから、憲法第三九条に違反しない。