刑訴第二二一条第二項第二号により現行犯人とみなされるためには、必ずしも逮捕の瞬間に同号掲記の物件を所持している必要はない。
刑訴第二一二条第二項第二号により現行犯人とみなされるためには、逮捕の瞬間に同号に掲記の物件を所持している必要があるか
刑訴法212条
判旨
逮捕手続に違法があることは、当然には上告理由とはならず、また原審の現行犯逮捕に関する判断に誤りがない場合は上告が棄却される。
問題の所在(論点)
逮捕手続の違法を理由として上告をすることが認められるか、および現行犯逮捕手続の適法性が争われた。
規範
逮捕手続の違法を理由として上告することはできない(昭和23年(れ)第774号大法廷判決参照)。また、現行犯逮捕手続の適法性判断に誤りがない限り、憲法違反や刑事訴訟法411条適用の余地はない。
重要事実
被告人が現行犯逮捕された事案において、弁護人が本件逮捕は不当であり違憲であると主張して上告した。判決文からは具体的な犯罪事実や逮捕の状況に関する詳細は不明であるが、現行犯逮捕の手続の適法性が争点となった事案である。
あてはめ
最高裁判例に基づき、逮捕手続の違法自体は直ちに上告理由にはならないと判断された。その上で、記録を精査しても、原審が行った本件現行犯逮捕手続に対する適法性の判断には誤りが認められず、刑事訴訟法411条を適用して原判決を破棄すべき事由も存在しないと評価された。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
逮捕等の捜査段階の違法が、その後の公判手続や判決に直接影響を及ぼさない限り、独立した上告理由にはならないという原則を確認したものである。ただし、重大な違法がある場合には刑訴法411条による職権破棄の対象になり得るため、答案上は手続違法の程度と判決への影響の有無を検討する際に参照する。
事件番号: 昭和28(あ)4015 / 裁判年月日: 昭和29年1月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】逮捕手続に違法があったとしても、そのこと自体は判決に影響を及ぼすものではないため、上告理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人が逮捕手続の法令違反を主張し、さらに警察官による取調べで強制・脅迫があったとして自白の不任意性を訴えた事案。第一審では被告人は自白調書の証拠採用に同意し、公判廷でも自白…