判旨
上告趣意書が提出期間経過後に提出された場合には、特段の事情がない限り、これに対して実質的な判断を加える必要はない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上の提出期間を徒過して提出された上告趣意書に対し、裁判所は判断を下すべきか。
規範
刑事訴訟法414条、386条1項3号に基づき、上告趣意書の提出期間後に差し出された書面に対しては、裁判所は実質的な判断を加える義務を負わない。
重要事実
被告人が上告を提起したが、弁護人の提出した上告趣意が刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、また、被告人本人が提出した上告趣意書は定められた提出期間を経過した後に差し出されたものであった。
あてはめ
記録を精査しても、職権による破棄事由(刑訴法411条)を適用すべき事情は認められない。また、被告人提出の趣意書は提出期間後に差し出されたものであることが明らかであるため、適法な上告趣意として受理し、その内容について判断を加える必要はないと解される。
結論
本件上告は棄却される。
実務上の射程
上告審における手続的要件の厳格な運用を示すものである。実務上、提出期限の遵守は不可欠であり、期限徒過後の趣意書は、職権調査を促す資料としての意味しか持たないことを示唆している。
事件番号: 昭和43(あ)2632 / 裁判年月日: 昭和44年10月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意書提出期間経過後に提出された補充書に基づく主張は、適法な上告理由に当たらないため、裁判所の判断対象とならない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件について上告を提起した際、弁護人が提出した上告趣意書(被告人の補充上告趣意書を含む)において事実誤認および量刑不当を主張した。これとは別に、被告…
事件番号: 昭和29(あ)2120 / 裁判年月日: 昭和29年9月11日 / 結論: 棄却
上告趣意第一点は所論控訴趣意書(上申書と題するもの)は法廷期間経過後の提出にかかるものであるから、この場合刑訴規則二三八条を適用すべき場合でない限り、原審が同趣意書に対し判断を与えなかつたことは当然である。所論引用の判例は適法期間内に提出された控訴趣意書に関するものであつて、本件の場合に当てはまるものではなく、また所論…