判旨
事実誤認を理由とする上告は、適法な上告理由にはあたらない。
問題の所在(論点)
旧刑事訴訟法下(および現行刑訴法405条の趣旨に照らし)、原審判決に事実の誤認があるとする主張が適法な上告理由となるか。
規範
上告審において適法な上告理由となり得るのは、憲法違反や判例違反等に限られ、単なる原審の事実誤認の主張は、適法な上告理由として認められない。
重要事実
被告人が、原審における判決の内容に事実の誤認があることを主張して上告を申し立てた事案である。
あてはめ
被告人の上告趣意は「原審に事実の誤認がある」という点に尽きている。しかし、刑事訴訟法上の上告理由は限定されており、事実誤認の主張はこれに該当しないため、不適法な主張といえる。
結論
本件上告は、適法な上告理由を含まないため棄却される。
実務上の射程
最高裁判所への上告理由が極めて限定的であることを示す基本的な判断であり、実務上は上告趣意書において事実誤認ではなく憲法違反や判例違反をいかに構成するかが重要となる。
事件番号: 昭和25(れ)1508 / 裁判年月日: 昭和26年2月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認および量刑不当の主張は、いずれも刑事訴訟法上、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対して上告を提起した事案である。弁護人は、第一点において原判決には事実誤認がある旨を主張し、第二点において原判決の量刑が不当である旨を主張した。 第2 問題の所在(論点):刑事訴…