判旨
事実誤認および量刑不当の主張は、上告審において適法な上告理由とはならず、これを理由とする上告は棄却を免れない。
問題の所在(論点)
事実誤認および量刑不当という主張が、当時の刑事訴訟応急措置法13条2項(現行刑訴法405条各号に相当)に照らし、適法な上告理由として認められるか。
規範
上告審は原則として憲法違反や判例違反を審理の対象とする法律審であり、原判決の認定した事実関係の当否(事実誤認)や科された刑の重軽(量刑不当)は、明文の規定がない限り適法な上告理由とはならない。
重要事実
被告人の弁護人が、原判決には事実の誤認があること、およびその刑の量定が不当に重いことを主張して上告を申し立てた事案である。
あてはめ
弁護人の上告趣意は、純粋に事実認定の誤りや刑の重さを争うものであり、憲法違反や判例違反等の適法な上告事由を具体的に指摘するものではない。上告審が法律審であることに鑑みれば、このような主張は法が定める上告理由の制限に抵触し、審理の対象とならない。
結論
本件上告は不適法な理由に基づくものであるため、刑事訴訟法に基づき棄却すべきである。
実務上の射程
現行刑事訴訟法405条においても、上告理由は憲法違反および判例違反に限定されている。事実誤認や量刑不当は411条の職権破棄事由にはなり得るものの、当事者が申し立てる「適法な上告理由」にはならないことを確認する際の実務上の基礎となる。
事件番号: 昭和26(れ)337 / 裁判年月日: 昭和26年5月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認および量刑不当の主張は、刑事訴訟法上の適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決に事実誤認および量刑不当があることを理由として最高裁判所に対し上告を提起した事案である。 第2 問題の所在(論点):事実誤認または量刑不当の主張が、最高裁判所に対する適法な上…