判旨
証拠の取捨選択および証拠調べの範囲の決定は、事実審裁判所の適法な裁量に属する事項である。
問題の所在(論点)
裁判所による証拠の取捨選択および証拠調べの範囲の決定が、どの程度の裁量に委ねられているか。また、これを理由とする上告が認められるか。
規範
証拠の取捨選択および証拠調べの限度(範囲)の決定については、裁判所に広範な裁量権が認められ、その裁量権の行使が適法である限り、上告審がこれを不当として介入することはできない。
重要事実
被告人側が上告において、原審の証拠取調の限度や証拠の取捨について憲法違反を主張した事案。しかし、その実質的な内容は、原審の証拠判断の妥当性を争うものであった。
あてはめ
本件における証拠の取捨および取調の限度の決定は、原審の適法な裁量権の範囲内で行われたものであるといえる。弁護人が主張する憲法違反は、実質的にこの適法な裁量を非難するに過ぎないため、適法な上告理由に当たらないと解される。
結論
本件上告は棄却される。裁判所の証拠調べに関する裁量は適法に行使されており、上告適法の理由とはならない。
実務上の射程
刑事訴訟における裁判所の証拠調べに関する広範な裁量を認めた初期の判例である。答案上は、裁判所による証拠決定の適法性を論じる際や、上告理由の適格性を検討する際の基礎的な判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和25(れ)1481 / 裁判年月日: 昭和25年12月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意が原審の自由裁量に属する証拠の判断、取捨及び事実認定を非難するものに過ぎない場合、上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:上告人が、原審における証拠の判断、取捨および事実認定に不服があるとして上告を申し立てた事案。なお、具体的な犯罪事実や詳細な経緯については判決文からは不明。 第2…