判旨
単に刑の量定に不服があることを理由とする上告(いわゆる量刑不当)は、刑法等に定める適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟における上告審において、単に量刑の不服を申し立てることが適法な上告理由(刑事訴訟法405条等)として認められるか。
規範
上告理由を制限する刑事訴訟法の規定(及び刑訴法施行法2条により適用される旧刑事訴訟法446条等)に基づき、法令の違反や判例違反等の特定の理由を伴わない、単なる量刑の不服は適法な上告理由とならない。
重要事実
被告人が、第一審または控訴審の判決に対し、刑の量定が重すぎるとして「寛大な処分を賜わり度い」という趣旨の上告を提起した事案。
あてはめ
被告人の主張は、具体的になんら法令の適用誤りや事実誤認、公序良俗違反等を指摘するものではなく、単に「寛大な処分を賜わりたい」という感情的な要望に帰するものである。このような主張は、上告審が法律審であることを踏まえた法定の上告理由のいずれにも該当しない。
結論
被告人の主張は上告適法の理由にならないため、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
司法試験の実務上は、上告理由の制限(刑訴法405条)を論じる際の基礎となる。単なる量刑不当は原則として上告理由にならないが、著しく刑の量定が不当な場合に事実誤認や法令違反と結びつく余地を検討する際の出発点として位置づけられる。
事件番号: 昭和25(あ)2755 / 裁判年月日: 昭和26年6月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原審の判断を不服として上告した事案。上告趣意において、被告人は、原審が第一審判決の刑の量定を是認したことは不当である旨を主張した。 第2 問題の所在(論点):刑事訴訟法405条が規定する適法な上告理由…