判旨
上告審において事実誤認や量刑不当を主張することは、適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
事実誤認および量刑不当の主張は、刑事訴訟法(本件では旧法および施行法)上の適法な上告理由となるか。
規範
旧刑事訴訟法下における上告審において、原判決の事実認定の誤り(事実誤認)や刑の重軽(量刑不当)を主張することは、裁判所の専権に属する事項に対する不当な非難であり、上告適法の理由を構成しない。
重要事実
被告人が原審の判決に対し、事実誤認および量刑不当を理由として上告を申し立てた事案。弁護人も同様に、原判決における証拠の取捨選択や事実認定、量刑の不当性を主張して上告趣意を提出した。
あてはめ
被告人および弁護人の主張は、いずれも原審の裁量に属する証拠の取捨判断や事実の認定、あるいは量刑の不当を非難するにとどまるものである。これらは法律上の誤りを指摘するものではなく、上告審の審査対象として適法な形式を備えていないといえる。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため棄却される。
実務上の射程
本判決は旧法下のものであるが、現行刑事訴訟法(405条、411条等)においても、事実誤認や量刑不当は原則として適法な上告理由(405条)とはならず、著しく正義に反する場合にのみ職権で破棄され得るという上告審の構造を理解するための基礎となる。答案上は、上告理由の限定性を論じる際の前提として機能する。
事件番号: 昭和25(れ)1253 / 裁判年月日: 昭和25年12月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑の不当のみを主張する上告は、刑事訴訟法施行法2条および旧刑事訴訟法446条の規定に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が、原審における量刑が不当であることを理由として上告を申し立てた事案である。判決文には犯罪事実の詳細は記載されていない。 第2 問題の所在(…
事件番号: 昭和26(れ)195 / 裁判年月日: 昭和26年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑訴法下の量刑不当の主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件について判決を受けた後、弁護人が量刑が不当に重いことを不服として上告を申し立てた事案である。判決文には被告人の具体的な犯罪事実や第一審・第二審の刑の詳細は記載されていな…