判旨
強盗罪(刑法236条)の成否に関し、原判決が認定した事実に基づいて同条を適用した判断は正当であり、証拠の取捨選択や事実認定は事実審の裁量に属する事柄である。
問題の所在(論点)
原審が認定した事実に基づき刑法236条を適用した判断に、法令適用の誤り(違法)があるか。また、証拠の取捨選択や事実認定の妥当性が上告理由となるか。
規範
強盗罪(刑法236条)の成否は、事実審が認定した具体的な事実関係に基づき、同条の構成要件に該当するか否かによって判断される。証拠の取捨選択および事実の認定は、原則として事実審の専権事項(裁量)に属する。
重要事実
被告人が強盗罪に問われた事案において、第一審および原審(二審)は、被告人の行為が刑法236条の強盗罪に該当すると認定した。これに対し弁護人は、原審の事実認定には誤りがあり、また量刑が不当であるとして上告した。
あてはめ
最高裁判所は、原判決が挙げた証拠によって認定された事実は肯認できるとした。その上で、認定された事実に対して刑法236条を適用した判断は正当であると評価した。弁護人の主張は、事実審の裁量に属する証拠の取捨判断や事実認定を非難するものであり、適法な上告理由には当たらないと解される。
結論
被告人の行為に強盗罪を適用した原判決は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決自体は簡潔な棄却判決であるが、強盗罪の成否について事実審の判断を維持する実務上の運用を示すものである。答案上は、構成要件該当性が争点となる場面で、認定事実に基づく法の適用が正当であることを基礎付ける趣旨で参照し得る。
事件番号: 昭和23(れ)1637 / 裁判年月日: 昭和24年3月3日 / 結論: 棄却
新刑訴第四一一條の規定は、上告裁判所が同條第一號乃至第五號所定の事由があつて、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めた場合において職權により判決で原判決を破棄することができることを定めたに過ぎないのであつて、當事者がかかる事由にもとずき上告を申立て得ることを許容したものではない。