判旨
犯行後の被告人の心情や家庭の実情を理由に、原判決より寛大な刑を求める主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき上告理由として不適法である。
問題の所在(論点)
犯行後の心情や家庭の実情に基づく量刑不当の主張は、上告審における適法な上告理由(刑訴応急措置法13条2項)に含まれるか。
規範
量刑不当の主張は、刑事訴訟応急措置法13条2項の規定に照らし、上告審である最高裁判所に対する適法な上告理由には当たらない。
重要事実
被告人は本件犯行後、自身の反省の心情や家庭の困窮した実情を訴え、原判決の量刑よりも寛大な判決、または執行猶予を求めて上告した。
あてはめ
被告人の主張は結局のところ、犯行後の情状を根拠に原判決の量刑を不当とするものに帰着する。しかし、このような量刑に関する不服申し立ては、当時の刑訴法上の上告理由を制限する規定により、法律審である上告審が審理すべき事項ではないと評価される。
結論
本件上告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
量刑不当を理由とする上告が原則として認められないことを示した裁判例であり、答案上は上告理由の限定性(適格性)を論じる際の論拠として活用できる。ただし、現行法(刑訴法405条等)下での著しい量刑不当の主張との整理に注意が必要である。
事件番号: 昭和26(れ)195 / 裁判年月日: 昭和26年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑訴法下の量刑不当の主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件について判決を受けた後、弁護人が量刑が不当に重いことを不服として上告を申し立てた事案である。判決文には被告人の具体的な犯罪事実や第一審・第二審の刑の詳細は記載されていな…
事件番号: 昭和26(れ)1537 / 裁判年月日: 昭和26年10月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当の主張は、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行の刑事訴訟法405条等に相当する規定)の制限により、適法な上告理由にはならない。 第1 事案の概要:被告人が量刑の不当を理由に最高裁判所へ上告を申し立てた。しかし、上告趣意書の内容は、判決の量刑が重すぎるという不服申し立てに帰着するものであった…